「産むの大変」「3人目は無理」 “出産一時金”増額申し入れ 出産費用高額化で…
年々増加する出産費用を巡り、自民党の議員連盟が岸田総理大臣に申し入れを行いました。現在、出産した際は、子供1人あたり42万円支払われていますが、これを40万円台半ばまで増額するよう提言しました。
自民党 小渕優子議連会長
「妊婦さんの助けになるようなことにできないかと」
背景にあるのは、出産費用の高額化です。都内で出産した母親らは、一時金を大幅に上回る自己負担があったと訴えました。
都内で第2子出産 30代
「(自己負担)41~42万とかですね。『こんなにかかるの』ってびっくりしました」
都内で第2子出産 30代
「自分では…60万くらい出してる。3人目は無理」
出産は「病気ではない」とされ、健康保険が原則、使えません。医療機関が、自由に費用を設定できるようになっているのです。
厚生労働省によると、出産費用の全国平均は約46万円(2019年度)。個室料金などをあわせると、51万円に跳ね上がります。都市部ほど高額となり、最も高い東京都は約62万円です。13年前に設定された、「42万円」という金額では足りていない現状なのです。
都内で第2子出産 30代
「(出産費用が)高いのは正直つらくて、子供を産むときの壁になっている」
都内で第2子出産 30代
「『産むの大変だよね』という気持ちになる」
先月、子育て支援団体が、全国の母親1228人に行ったアンケートには、「自己負担が大きくて驚いた」と、出産費用の高さを訴える声が続出しました。一時金の42万円以下で出産できたのは、全体のわずか7%にとどまったということです。
支援団体の代表は、増額が必要だと訴える一方で、ある懸念を挙げました。
子どもと家族のための緊急提言プロジェクト 佐藤拓代共同代表
「(以前も)一時金が上がっていったんだけど、それを乗り越えて出産費用が伸びていっているという実態もわかっていただいて、根本的な制度設計をしないとならない」
以前から、一時金を増額すると、医療機関側が費用をつり上げるといったイタチごっこが続く状態があると指摘し、制度全体の見直しを求めています。
政府は、実態調査などを行って、増額に向けた検討をしたい考えですが、必要な財源を確保できるかは不透明な状況です。