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【解説】基準は?“裏金”処分に自民党内からも「不満」

2024年4月5日 6:30
【解説】基準は?“裏金”処分に自民党内からも「不満」

4日、「裏金事件」に関係する39人の処分が正式に決まりました。内容は不記載の金額と処分の重さが逆転しているような状況もあり、岸田首相を公然と批判する異例の発言も出るなど、一部の議員からは不満が噴き出しています。

■異なる処分内容…選挙に影響も?

藤井貴彦キャスター
「安倍派幹部の処分に関して、ネット上では『これが処分として重いのかわからない』、そして『基準がわからない』といった感想も見られました」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「まず(処分が)重いのかどうかということですが、この中(今回下された処分)で1番重いのが『離党勧告』です。これは自民党を離れてくださいということで、これを拒否した場合には除名されます」

藤井貴彦キャスター
「除名ですか」

小栗解説委員長
「そうなんです。例えば今年、解散総選挙があったときに自民党の公認をもらえません。無所属で立候補となると、当選に向けたハードルはかなり高くなります。ある自民党の幹部は『選挙が弱い議員にとっては、政治生命を絶たれる処分だ』と話しています」

「そして『党員資格停止(1年間)』は期間限定ではありますけれども、国政選挙で自民党の公認はもらえません。それに対して『党の役職停止』は選挙に影響はないですが、自民党の要職には就けない処分です。ただ、『党の役職停止(1年間)』処分を受けた萩生田光一氏は、すでに党の政調会長を辞めています。ある閣僚経験者は、『痛くもかゆくもないだろう』と指摘しています」

■処分内容に不満の声…不記載の金額と処分の重さが逆転する状況も

藤井キャスター
「今みてみますと、この『党員資格停止(6か月)』と『党の役職停止(1年間)』では処分がだいぶ違いますね。これは不満が出ないのかが疑問ですがどうでしょうか?」

小栗解説委員長
「実際に不満は出ていまして、そのもとにもなっているそれぞれの『不記載額』というのをみてみます。1番重い『離党勧告』となった塩谷立氏は234万円で、これは処分対象の39人のうち2番目に少ない額です。一方で『党の役職停止(1年間)』となった萩生田氏は2728万円。逆に39人中2番目に多い額です」

藤井キャスター
「不記載の金額と処分の重さが逆転しているような状況もあるわけですね?」

小栗解説委員長
「まさにそうなんです。萩生田氏は党の事務総長というキックバックを知り得るポストを経験していないんです。『なので』というふうに言う人もいるんですが、安倍派の5人衆(世耕弘成氏、西村康稔氏、高木毅氏、萩生田光一氏、松野博一氏)の中で差がついているのはなんでなのか。党内からは『萩生田さんを守りたい人がいるんだね』ですとか『次の総裁選挙をにらみ、変な線引きが行われている』、つまり、処分を軽くして次の総裁選で味方につけるための駆け引きじゃないかという趣旨の不満の声が聞かれました」

■5日から大変? 処分対象者「岸田さんはもう詰んでいる」

藤井キャスター
「なんでこんな不満が出る形に落ち着いたんでしょうか?」

小栗解説委員長
「やはり、キックバックがいつ・誰によって・どう始まったのかといった実態解明がされずに曖昧なまま、まずは処分をというふうにしたところ、ここに無理がありますね」

藤井キャスター
「これで一区切りというより、5日から大変ですよね?」

小栗解説委員長
「まさにそうなんです。実際、塩谷氏は『党の代表としての責任はあるだろう』と岸田首相・総裁も処分を受けるべきだと公然と批判しています。他の処分対象者からも、『岸田さんはもう詰んでいる。処分が出てスタート、政局のゴングが鳴る』といった声が聞かれました」

藤井キャスター
「しっかり説明しましたけれども、カフカさんはどういった印象ですか?」

ミュージシャン・俳優 シシド・カフカさん(『news zero』木曜パートナー)
「こうやって細かく説明してもらうと、いろんな『矛盾』が浮き彫りになるなというような印象は受けました。こういう説明と数字が並ぶとわかりやすいので、これをきっかけに若い世代が政治に関心をもったりだとか、参加するきっかけになればいいかなとは感じました」

藤井キャスター
「いつか選挙があると思いますけど、そのときには必ずこういった処分。そして不記載の額というのは出てくることになると思うので、まさに5日以降、大変なことになりそうです」

(4月4日放送『news zero』より)