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岸田首相の「後援会」会長が説明…“統一教会”の関連団体議長に

2022年8月24日 23:21
岸田首相の「後援会」会長が説明…“統一教会”の関連団体議長に

岸田首相の熊本県の後援会会長が、いわゆる“統一教会”の関連団体の議長を務めていたと報じられた問題で、「熊本岸田会」で会長の中山氏が会見を開き、「今後は縁を切る」と述べました。岸田首相は、自身との関係については否定しました。

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24日、オンラインで記者会見を行った岸田首相は「私自身は、知りうる限り、旧統一教会との関係はありません」と、自身と教団との関係を改めて否定しました。

会見で質問されたのは、今週発売の「週刊文春」の報道内容です。岸田首相の後援会の1つ、「熊本岸田会」で会長を務めていた中山峰男氏が、教団の関連団体で議長を務めていたというのです。

この日午前、渦中の中山氏が会見を行いました。

「熊本岸田会」会長 中山峰男氏
「私の名前がそこ(記事)に記載されていて、ショックを受けているところ」
「岸田首相に対して、大変申し訳ないという思いでおります」

岸田首相に謝罪した中山氏。指摘されたのは、「日韓トンネル」をめぐる関係です。これは、九州と韓国をつなぐ海底トンネル構想で、約40年前に“統一教会”の創始者・文鮮明氏が提唱したものです。

中山氏は、日韓トンネルを推進する熊本県の団体で、11年前から議長を務めていました。

中山氏は、議長職について「信頼できる人物から頼まれた」とした上で、「統一教会が関与していることは、今日までわからなかった」と話しました。日韓トンネル構想に教団が関係していることを、認識していなかったといいます。

――中山氏は統一教会の信者ではない?

「熊本岸田会」会長 中山峰男氏
「ありません、全くありません。(統一教会は)信者にした人たちから、金銭を巻き上げるようなことが行われてると認識しているので、憤りを感じている」

教団の行為を批判した中山氏。ただ、日韓トンネル構想の主体となる教団の関連団体のホームページには、文鮮明氏の名前がはっきりと記載されています。気がつかなかったのでしょうか。

「熊本岸田会」会長 中山峰男氏
「今まで、日韓トンネルの総会等で携わっている中でも、(教団の)雰囲気そのものは全くない。(自身の団体は)夢を語る会みたいなものです」

年1回の会議で、あいさつをする程度だったと説明しました。

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約30年前の1993年に、日本テレビが佐賀県で日韓トンネルの実態を取材ときには、すでに現場は閑散とし、工事はストップしている様子でした。

そして今月、改めて現場を訪れると、トンネルの入り口は確認できたものの、工事が行われている様子はありませんでした。

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中山氏は、教団などから報酬は受け取っておらず、23日、議長職を辞任。今後は、「縁を切る」ということです。

日々、浮上する政治と教団についての報道。「調査を行わない」としていた自民党の対応について、岸田首相は「もう一段踏み込んだ、実効的な体制の整備」が必要であるとしたうえで、国民に対し、十分な発信をしていく考えを示しました。