【解説】首相が決断「岸田派解散」へ…麻生派幹部「麻生さんは怒る」
岸田首相が岸田派を解散する意向を固めた。党内からは「覚悟を決めた」という評価する声が出る一方、麻生派幹部は「麻生さんは絶対に怒る」との声も…。
■首相が決断「岸田派解散」へ…首相周辺「首相の本気度示した」
この決断の理由について、ある首相周辺は「政治資金の問題で、岸田派も立件されることになったので、けじめをつけた」。別の周辺は「信頼回復のために何をしなければいけないかを考えた結果、派閥を解散して本気度を示すことにした」と解説している。
党内から早速、さまざまな反応が出ている。
■党内から賛否…「首相覚悟」との評価 「自分勝手」との批判も
現役閣僚の一人は「よいセンス。これで刷新本部は動く」。別の閣僚経験者は「総理の覚悟の意思表示だ」。中堅議員の一人も「覚悟をもって決めた。支持率が上がるのでは」などと評価する声が出ている。
一方で、政治刷新本部が来週に中間とりまとめを行う中での打ち出しに、「突然すぎる」「刷新本部の議論が、意味がなくなる」(安倍派中堅)などの批判も。
次の焦点について、ある幹事長経験者は「他派閥がどう対応するかが気になる」と指摘した。
ある二階派議員は「二階派と安倍派は、派閥を続けるなんて言える雰囲気ではなくなった」と漏らした。安倍派幹部の一人も「解散も選択肢の一つだ。もう解散の流れになるかもしれない」。茂木派内からも「もう派閥をやめるしかない」という声も出た。
こうした中、多くの議員が気にしたのは麻生副総裁の反応だ。
■岸田派解消の余波は…麻生派幹部「麻生さんは絶対に怒る」
麻生副総裁は派閥解消に慎重なスタンス。今回の問題は「派閥自体が悪いのではなく、ルールを守らないことが悪い」という考えだ。
ある麻生派幹部は「麻生氏は絶対に怒る」「岸田派で問題が起きたから、総裁が岸田派を解散するなんて、自分勝手でポピュリズムだ」と語った。
また、ある閣僚経験者は「真面目にやっている派閥まで解散せざるを得なくなる。総裁としての決断の影響力がわかってない」と厳しく批判。党内からは岸田首相の覚悟を評価する声が出る一方で、これまで政権を支えてきた麻生副総裁との関係悪化を懸念する声も出ている。
岸田首相の決断は国民の信頼回復につながるのか、あるいは自民党内にさらなる亀裂を生むのだろうか。