“裏金議員”処分に「500万円の壁」? 39人のみ処分ナゼ 自民幹部「数字に根拠ない」 森元首相は“不快感”…聴取は?
自民党は派閥の政治資金問題をめぐり、4日に処分を正式決定する方針です。ただ、85人が「不記載があった」と認めているのに対し、処分対象は 39人のみ。その背景には何があるのでしょうか? 処分案には異論があり、調整はなお難航しているようです。
「いわゆる裏金議員らの名前を一覧にしました。その人数は39人。自民党はこの39人について、4日の党紀委員会で処分を正式に決定する方針です」
「ただ、自民党の調査で『不記載があった』と認めているのは議員ら 85 人です。裏金があったのに処分されない議員もいるというのは、どういうことなのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「処分はどこかで線引きをしないといけません。まず1つは『500万円の壁』です。キックバックの不記載の額が5年間で500万円以上あった議員らで線引きしたということです」
「もう1つは、金額が少なくても安倍派と二階派の幹部は処分をする方針です」
「この処分をめぐっては、2日夜も動きがありました。午後9時半ごろ、首相官邸の裏口から自民党の茂木幹事長と森山総務会長が出てきました。岸田首相と詰めの協議をしたとみられています」
小栗委員長
「自民党執行部の中からも、異論は出ています。この処分案は茂木幹事長が主導して作りましたが、ある党幹部は『500万円という数字に何も根拠はない』と批判しています」
「処分対象にならなかった議員も『500万円で線引きされて処分なしでは、地元で有権者に説明できない。逆に迷惑だ』という声まで聞かれました」
小栗委員長
「そして、かなり重い処分になりそうな議員もいます。安倍派幹部の中では、塩谷氏と世耕氏は党の処分の中で2番目に重い『離党勧告』とする方向で調整が進められています」
「また下村氏と西村氏は党員資格停止などの重い処分とする方向。萩生田氏と松野氏、高木氏、二階派の事務総長だった武田氏は、先ほどの 4 人に次いで責任が重いとみられています。不記載額が 500 万円以上、1000 万円未満の議員は戒告処分とする方向です」
藤井キャスター
「同じ幹部でも処分に濃淡があるのですね」
小栗委員長
「そこが非常に難しいところです。岸田首相は2日、麻生副総裁や茂木幹事長をはじめ党の幹部と次々会談しましたが、調整は難航したようです。ある自民党幹部は『安倍派の幹部7人で差をつけるべきではない』と話すなど、意見は割れているとみられます」
藤井キャスター
「森元首相がキックバックの再開に関与していたという証言が出てきましたが、森氏についてはどうなのでしょうか?」
小栗委員長
「岸田首相としては、何らかの形で事情を聴きたい考えのようですが、森氏に近い関係者によると、まだ聴取は実現していないといいます。当の森氏は自らの聴取が検討されていることについて、周辺に不快感を示しているということです」
「自民党幹部によると、『もし聴取をするなら自分だけではなく派閥出身の他の首相経験者からも聴くべきだ』と主張しているそうです」
(4月2日『news zero』より)