教育委員「子どもは商品」発言 賛否巡り応酬 知事「不適切と思わない」
県の教育委員が就任前、こどもを「商品」に例えて発言していたことについて、県議会では賛否を巡る応酬が繰り広げられています。
発端は、19日の県議会で共産党の火爪弘子県議が牧田和樹教育委員による発言を問題視し、任命した新田知事に見解を問い質したことでした。
火爪県議
「報告書によれば、牧田氏は講話の中で国家の繁栄は教育がもたらすものであり、社会に役立つ人材、つまりこどもという商品の価値を高めを輩出するのが学校であり、驚くべき発言と言わなくてはなりません」
問題視されたのは、牧田さんが県教育委員就任前の2023年、経済団体が主催した海外視察で、同行した県内の現役教員らに対して発言したものです。
教育を経済システムにたとえ「社会の役に立つ人材、つまり子どもという商品の価値を高めて輩出するのが学校、決して保護者のためではなく国家繁栄のために教育があることを肝に銘じてほしい」などと述べたことが報告書に記載されていました。
火爪県議
「こうした考え方の方は仮に経済人として信頼のある方であっても、少なくとも教育委員としては不適格であり辞任を求めるべきだと考えます」
これに対し知事は。
新田知事
「経済人としては、企業としてはですね商品というものを磨き上げる、質を上げていくということであります。同じように教育においては子どもたちが磨き上げる対象、質を上げていく対象であること、それを学校が、先生がやるんだということ、そういったレトリックでお話をされたんだと思い、私はこの発言が別に不適切なものだとまったく思わない」
さらに「民間人で公職に就く人を議会で、名指しで批判するのは大変に不適切」と反論しました。
21日も県議会の予算特別委員会では。
自民党新令和会 沢崎県議
「表現にはそれぞれ異論反論があると思いますが、人づくりの大切さは今も昔もひとづくりであります」
自民党議員が牧田さんの発言を擁護するなど賛否の応酬が続きました。
牧田さんは、2023年10月に就任し、県総合教育会議のメンバーでもあります。
牧田さんは、取材に対し「議会でのやりとりに意見する立場ではないが、個人の発言を取り上げることに違和感がある 」と答えました。
県の教育委員は議会の同意を得て知事が任命します。