【衆院選・静岡3区】5市1町“裏金問題”に揺れた選挙区…前職に“みそぎ”かかる元職や新人ら複数人が挑む
裏金問題に揺れたもう一つの選挙区である静岡3区は、磐田市や掛川市など5市1町が選挙区となります。
解散前の、10月8日 夜。静岡3区では、立候補予定者たちが集まり、討論会が開かれました。ネットでの配信となったこの討論会。冒頭に謝罪から入ったのが、元衆議院議員の宮沢博行氏です。
(無所属・静岡3区 宮沢 博行 元衆院議員)
「まずはおわびから始めなければならない」「さまざまな不祥事が重なって議員辞職をした。あらためて深くおわびを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
(2023年12月 当時の宮沢氏)
「3年間で140万円しゃべるな、しゃべるなこれですよ」
安倍派に所属していた宮沢氏は、裏金問題に加え、女性問題が報じられたことで4月に自民党を離党し、衆議院議員を辞職。
(2024年4月 当時の宮沢氏)
「欲をおさえきれなかった。そこに負けてしまった」
この総選挙を「みそぎ」と位置づけ、無所属での出馬を表明していて、いわゆる「裏金議員」の戦いに注目が集まります。
(無所属・静岡3区 宮沢 博行 元衆院議員)
「硬直化した自民党政治を打破しなければ、私たちが掲げた政策が実現しない、私たちの生活の豊かさは実現できない、そう思う」
離党した宮沢氏に代わり自民党から出馬するのが、掛川市議だった山本裕三氏です。討論会では、こんな発言も…。
(自民・静岡3区 山本 裕三氏)
「自民党が起こしたさまざまな政治不信のすべての責任を、私は支部長として負っていく責任が私にはあります」「さまざま厳しい声をいただくが、それはもっとしっかりしろと、何をしているんだと、そういう声だと思っている」
一方、前回選で、静岡3区を制したのが、立憲民主党の小山展弘前衆院議員です。裏金問題には言及することはなく、選挙では「自身の政策を真摯(しんし)に訴えていく」と話しています。
(立憲・静岡3区 小山 展弘 前衆院員)
「国会では超党派での議員立法、あるいは政策作りを行ってきた」「私は、富国有徳の品格ある国 日本を目指していきたいと考えている」
また、日本維新の会から初めての選挙に臨むのが、釜下由佳子氏です。福島県出身の釜下氏は、今の政治に不安を覚え、出馬を決意しました。
(維新・静岡3区 釜下 由佳子氏)
「私が政治を目指すきっかけになったのは、2011年3月11日の東日本大震災です」「災害の経験、今の子育ての経験、それを政治に生かしていきたい」
討論会では「経済・産業振興」に関して重要なことは何か、それぞれが考えを訴えました。
(自民・静岡3区 山本 裕三氏)
「企業の99%が中小企業ですから、事業承継をしっかりと進めていきたい。資金だったり、様々な課題がある。法整備も必要。事業承継の中でも特に女性経営者を増やしていくことが、地域がより輝きます」
(立憲・静岡3区 小山 展弘 前衆院員)
「価格転嫁なくして賃上げなし。価格転嫁をしっかり行っていくことで、中小企業の中で賃上げができるような環境をつくっていく」「円安のメリットをしっかりと中小企業に波及をさせていく。そのための税制・政策を総動員する」
(維新・静岡3区 釜下 由佳子氏)
「漁業の6次産業化を進め、地元水産物の付加価値を高めつつ、風力発電などの再生可能エネルギーを活用した新しい産業の構築を目指したい」
(無所属・静岡3区 宮沢 博行 元衆院議員)
「私は今回、一言で「昭和モデル」を目指そうと言いたい」「一つは緩やかな物価上昇、二つ目は賃金アップ、三つ目は適度な円安、四つ目は金利有り、五つ目は人口増」
前回選を制した立憲の小山氏に複数人が挑む構図となる静岡3区。このほかに無所属の杉村義夫氏が出馬を表明しています。
(無所属・静岡3区 杉村 義夫氏)
「大井川の水のことを訴えている人が少ないと思ったので、私の思いは大井川の水を守るということで立候補を決意した」
選挙戦の構図を大きく変えた裏金問題は、どう影響するのでしょうか。