体育館で勉強する専門学校生も 続く集団避難…受験生“高校は輪島に” 能登半島地震から2か月
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藤井貴彦キャスター
「私は今、石川県輪島市にきています。元日の能登半島地震から3月1日で2か月となりました。私の後ろには、被災者を受け入れる仮設住宅が立ち並んでいます。ただ、生活再建への拠点ともなる仮設住宅に入居できている人は高齢者などの一部で、いまだに石川県では1万1000人以上の避難者がいるのが現実です」
「また、輪島市では十分な学習環境が整っていないことなどから、中学生たちの集団避難が今も続いているということです。長引く避難所生活と離ればなれの生活を送っている家族の思いを取材しました」
大規模火災があった輪島市の朝市通りでは、いまだに火災直後のような光景が残ります。この通りで出会った横道正栄さん(80代)に話を聞きました。
藤井キャスター
「地震があってから初めて来たんですか?」
輪島市で被災した横道正栄さん(80代)
「初めて」
藤井キャスター
「だいぶ様子が変わっていますか?」
輪島市で被災した横道正栄さん(80代)
「変わっているね、面影ねえのう」
横道さんの自宅も被害にあい、今は金沢市に避難しているといいます。
震災から3月1日で2か月。石川県では、いまだ1万1048人の住民が避難生活を強いられています。
輪島市から約120キロ。金沢市にある体育館には、輪島市南志見地区の住民74人が集団で避難しています。
「リモートで授業しています」
そこでは、体育館の床に座り勉強している専門学校生の姿もありました。理学療法士を目指す向浜結美さん(19)。2か月たっても満足に勉強できない状況です。
藤井キャスター
「今、一番大変に思っていることは」
実家が輪島市の専門学校生・向浜結美さん(19)
「勉強机とか(がない)、照明も午後10時には消えてしまう」
長引く避難生活。
藤井キャスター
「自宅に戻りたい気持ちは強い?」
輪島市から避難した浜高泰子さん(81)
「戻りたいけど戻るに戻られんもんね。あそこに戻っても生活できない。それこそお先真っ暗で、何をどうすればいいのか」
藤井キャスター
「みんなで輪島に戻るには何が必要ですか?」
輪島市から避難した浜高元一さん(58)
「本当に難しいですよね。一つ思っているのは焦らないこと。今、不便な状況で仮設造ったからといっても不便なだけなので、もうちょっと時間がかかってもちゃんとした状態で迎え入れるような準備をしていただいて」