コロナ禍「出口見えてきた」~新国立劇場バレエ団 新たな挑戦へ
東京・初台にある新国立劇場で、3日に初日をむかえる新国立劇場バレエ団の公演「不思議の国のアリス」の舞台稽古の見学会が行われました。吉田都芸術監督はあいさつでコロナ禍での苦労の日々を振り返り「ようやく出口が見えてきた」と話しました。
2日、東京・初台の新国立劇場で行われたのは、バレエ「不思議の国のアリス」の舞台稽古の見学会です。このバレエはルイス・キャロルの児童小説を題材とした作品で、白ウサギやハートの女王などおなじみのキャラクターが登場します。
魔法の世界を表すため、舞台装置や映像とダンサーの踊りが一体化したような色彩感あふれる演出が話題となり、バレエ版の「不思議の国のアリス」は世界的に人気のある作品となっています。
「暗いトンネルに…」コロナ禍で公演中止の日々
実はこの作品、新国立劇場バレエ団では、おととし6月に公演が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となっていました。
吉田都芸術監督は、2日の見学会に先立ち、あいさつを行い、上演中止となった経緯を「暗いトンネルに入り込んだ」と表現し、コロナ禍での苦労の日々を振り返りました。
バレエ団では、公演中止が相次ぐなど、思うように活動できない日々が続きましたが、今回の公演では、イギリスやオーストラリアから指導者やゲストダンサーが来日出来たことが報告されました。
2年4か月ぶりに海外のダンサーらが合流
このバレエ団の公演のために海外から指導者などが来日するのは、おととし2月以来のことです。
吉田監督は、「コロナの影響でストップしていたことが動き始めたことも、とても感激しています」「ようやくトンネルの出口が見えてきた」と話し、「バレエ団のチャレンジが始まる」と今後への意気込みを語りました。
ことし新国立劇場は開場25周年を迎えます。秋から始まる新シーズンでは記念公演として、吉田監督が自ら演出をつとめる「ジゼル」が上演される予定で、大きな注目となっています。