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過去最多“更新”相次ぐ 濃厚接触者の待機期間を“短縮” 医療現場「すでに“崩壊”」

2022年7月22日 21:52
過去最多“更新”相次ぐ 濃厚接触者の待機期間を“短縮” 医療現場「すでに“崩壊”」

22日の全国の新型コロナウイルスの新規感染者は19万人を超え、過去最多を更新しました。東京は2日連続で3万人を超えました。一方、感染拡大を受け、政府は濃厚接触者の待機期間の短縮を決定しました。一方、千葉県では幼稚園などで濃厚接触者の特定を行わない独自の方針を決定しました。

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東京都の小池知事は、歯止めのかからない感染拡大に危機感をあらわにしました。

東京都 小池知事
「きょうも、過去にない最大の陽性者を出している」

22日、東京都は3万4995人の感染を発表しました。

「すごい…一気にどんどん増えていってますね。怖いです」

「すごく増えてますね」

1日の感染者数は、全国で過去最多を更新、第7波のうねりが止まりません。

埼玉県では新規感染者数が1万1598人、福岡県では1万2155人、北海道でも4464人となるなど、22日午後5時半時点で21都道府県で過去最多を更新する中、PCR検査センターには不安を感じる人が集まっていました。

利用者(20代)
「明日はわが身かなって。けっこう人がたくさん入ってたので、受付が混んでたなって感じ」

東京の渋谷駅前PCR検査センターでは休日には整理券を配るほど、利用者が増加しているといいます。

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22日夕方、新たな動きがあったのはワクチン接種会場です。厚生労働省は22日、4回目接種の対象を医療従事者と高齢者施設などの従事者に拡大することを決め、東京・港区の接種会場では、早速、医師が接種を受けていました。今後、高齢者などへの5回目接種についても検討するとしています。

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感染拡大の中、社会経済活動維持のため、政府は濃厚接触者の待機期間を原則7日間から5日間に短縮し、抗原検査で2回陰性となれば、3日目から待機を解除すると発表しました。

また、独自の対応を決めた県も――

千葉県 熊谷俊人知事
「オミクロン株の特性などを踏まえ、今後、保育所等においても、濃厚接触者の特定を行わないことといたします」

千葉県では21日、重症化リスクが低いとされるオミクロン株の特徴や保護者の仕事などを考慮し、幼稚園や保育園などで濃厚接触者の特定を行わないことを決めました。

この決定に、街の人は――

千葉県民 賛成派
「いいと思います。また休園、また休園ってなると、なかなか仕事休まないといけないんじゃないかなって」

千葉県民 反対派
「ちょうど子どもの園が先週から休園になっているんですけど、感染者が先生も増えているところなので、濃厚接触者を特定しないっていうのは、ちょっと怖いなって」

保護者の中でも賛否が分かれました。

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そして、都内の医療機関では――

病院スタッフ
「先生、すいません。抗原検査のキットが1個しかないです」

伊東医師
「1個って1個?」

病院スタッフ
「残り1人分です」

伊藤医師
「1人分? 1箱じゃなくて? えー…ほんとだ」

普段使用している検査キットは出荷制限がかけられ、十分な入荷が困難になりました。予約の電話もすでにパンク状態だといいます。

病院スタッフ
「発熱外来枠でお取りしたいのですが、いまちょっと枠がいっぱいなんですね」

病院スタッフ
「申し訳ございません。キャンセル待ちということでの承りとなります」

現場の医師は――

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道先生 
「クリニックレベルでいうと、すでに医療崩壊といっても過言ではないと思う。ここ2週間ほど前から、爆発的に発熱外来の受診希望者が増えました。100人から110人くらいは、お断りしていることになっている」

受診希望者の9割は断り、実際に診察できるのは1日に20人ほどだといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道先生 
「(打っていない人は)ワクチンは3回目も4回目も、いまやるということが大事だと思います」

行動制限がかからないためにも、あらためての感染対策が求められます。