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秋田のスーパー“クマ居座り”36時間超…捕獲へ“ドローン作戦”も【バンキシャ!】

2024年12月2日 10:14
秋田のスーパー“クマ居座り”36時間超…捕獲へ“ドローン作戦”も【バンキシャ!】

11月30日に秋田市のスーパーに侵入し従業員を襲ったクマが、36時間以上、店舗内に居座ったままです。警察などが対応を続けるなか、店の関係者は精肉売り場が荒らされた形跡を外から確認。ドローン作戦やオリの設置など捕獲作戦が行われています。【バンキシャ!】

◇◇◇

1日、正午前。現場に動きがあった。

バンキシャ
「盾を持ったたくさんの警察官がスーパーに向かっていきます。物々しい雰囲気です」

15人ほどの警察官がスーパーの敷地に入る。中には背中に「SIT」の文字が入った警察官も。誘拐や立てこもり事件に対応する、捜査1課の特殊班だ。

この秋田市のスーパーでは30日の朝、開店作業中だった男性従業員(47)が、店に侵入してきたクマに襲われ、頭や顔にケガをした。

それから約1日半、クマは店内に居座り続けている。さらにバンキシャ!のカメラが捉えたのは…。

バンキシャ
「今、何か持っています。黄緑色のヘルメットかぶった女性。モニターですかね?」

背中には「ドローンパイロット」の文字が。これからドローンを使った“作戦”が始まるという。

バンキシャ
「ドローンの操縦者たちが今、スーパーの中に入っていきます」

これは11月29日の夜、クマが居座っているスーパーから約200メートルの場所で撮影された防犯カメラの映像だ。午後9時ごろ、画面右から走ってくるクマの姿が。スーパーに居座っているクマと同じ個体かはわかっていないが…。

この翌日の30日午前6時すぎに、秋田市のスーパーにクマが侵入。“居座り”を始めた。市の職員や猟友会、さらに盾を持った警察官も集まり、店の中にいるクマの姿を捜す。

外から確認した店の関係者によると、店の奥にある精肉売り場が荒らされ、並べてあった肉がなくなっていたという。

発生から約4時間半後の午前11時。

佐々木 勇憲 記者/秋田放送
「いま、猟友会・警察がオリを店の中へと入れていきます」

別の入り口からも、もう1つ。2か所の入り口近くにオリを置き、捕まえる作戦だ。設置は30分ほどで終わり、猟友会が店から出てきた。手には「秋田米」の袋や「はちみつ」と書かれた段ボール箱が。何が入っていたのか?

1日、猟友会のメンバーを訪ねると…

オリを設置した猟友会
「バナナとリンゴとパンとハチミツをその上にかけてセットして(オリに)入れてきました」

バンキシャ
「秋田米は?」

猟友会
「古くなったお米いらないって人いるんで、もらうとまくんです。米も食うからね」

「だけどスーパーの中にあれだけ(食べ物が)あるんだからさ、なんぼか多めに、ハチミツも2本くらいまいたんじゃないか」

しかし“エサ多め作戦”は実を結ばないまま、時刻は夜に。バンキシャ!は、店内が見える場所からクマの姿を探した。

バンキシャ
「0時半を過ぎました。店の明かりはともったままですが、クマの姿は確認できません」

「4時半を過ぎました。奥が果物とか生鮮食品っぽいですがミカンとかブドウとかかな。いませんね…。こちらはイートインスペース?お店かな。こちらにもいませんね」

その後も、クマが姿を見せることはなかった。そして一夜明けて始まったのが、“ドローン作戦”。

まずはドローンを飛ばし、店内の様子をチェックする。クマが売り場にいないことが確認できたら、売り場とバックヤードをつなぐ4つのドアを封鎖し、クマをバックヤードに閉じ込める。

さらに、入り口付近に設置したオリも、店の奥の精肉売り場近くなどに移動させる作戦だという。

約2時間後(1日午後3時前)。

記者
「いまドローンのパイロットなどが店から出てきました。店内の確認作業が終わったものとみられます」

パイロットの手には、ドローンが。続いて盾を持った警察官が、店の中へ。午後4時半ごろ、警察官が作業を終え、店から出てきた。クマは見つかったのか─。

警察によると、売り場にクマの姿は確認できなかったため、バックヤードにつながる4つのドアを封鎖したという。クマはバックヤードにいるとみられているという。

ス―パーに現れたクマについて、専門家は…

クマの生態に詳しい 岩手大学農学部 山内 貴義 准教授
「12月に入ってもう冬眠に向けて準備している。早い個体であれば冬眠していると思うが、そういう時期に市街地のスーパーに入り込んで立てこもっていることに非常に驚いている」

また専門家によると、2024年は木の実など山のエサは豊富だという。ではなぜ街に下りてきたのか。

山内 准教授
「去年(2023年)、クマが生息域を拡大させた。エサがないということで、人里にかなりプレッシャーをかけてきた状態になっていて。そういった個体からすると、山奥よりは市街地周辺も含めて自分の生息域と認識してしまっているので、行動をちょっと大胆にもしくはエスカレートさせているんじゃないかと思います」

*12月1日放送「真相報道バンキシャ!」より

最終更新日:2024年12月2日 10:14