×

「除染土」再生利用する実証事業へ 所沢市で住民説明会

2022年12月17日 3:13
「除染土」再生利用する実証事業へ 所沢市で住民説明会

福島第一原発の事故後、除染作業で出た土を再生利用する実証事業について、福島県外で初めての候補地となった埼玉県所沢市で住民説明会が行われました。

東京電力福島第一原発の事故の後、除染作業で出た放射性物質を含む「除染土」は、福島県内の中間貯蔵施設に保管されていますが、国は放射能の濃度が基準を下回れば、公共工事などで再生利用する方針で、これまで福島県内で実証事業を実施してきました。

しかし、今後、この事業を福島県外でも行うとして、環境省は16日、候補地となっている埼玉県所沢市の「環境調査研修所」で、近隣住民向けの説明会を行いました。

「環境調査研修所」の敷地内の広場に深さ1メートルほどの穴を掘り、除染土20立方メートル(10トントラック6~7台分)を入れ、掘った土で再び覆って芝生を養生し、周辺への影響などを調べる計画だということです。

3時間を超える説明会で、参加者からはなぜ所沢市で実証事業を行うのかといった質問や、風評被害を懸念する声があがったほか、地元の同意や理解を得られたと判断する基準についても説明が求められたということです。

説明会に参加者した人「(実証事業を)やってほしいか、やってほしくないかと言えば、やってほしくないから、(説明に)納得はしていないんだと思います」

また、会場周辺には実証事業の中止を求める人が集まったほか、説明会の参加者からも、事前の周知が不十分で参加者が限られていたことなどから、対象を広げた説明会を求める声があがったということです。

環境省の担当者は、説明会を開催するかも含め、今後の方針について所沢市と相談したいとしています。