二人で歩まれた結婚30年…両陛下が“感想” 今後も「二人で協力しながら務めを」
天皇皇后両陛下は9日に結婚30年を迎え、文書で感想を寄せられました。文書では「感慨もひとしお」として、婚約会見や結婚パレード、東日本大震災の被災地訪問、長女・愛子さまの存在など両陛下が二人で臨んだ節目となる思い出に言及され、感謝の念や国民に対する思いを明かされました。
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天皇皇后両陛下は9日、結婚30年にあたり文書で感想を寄せられました。
両陛下のご感想
「今日で結婚30年を迎えると思うと、感慨もひとしおです」
1993年の婚約内定会見では皇后さまが「『雅子さんのことは僕が一生全力でお守りしますから』というふうに話してくださいました」と明かし、当時、天皇陛下の“プロポーズの言葉”が話題となりました。
そして迎えた1993年6月9日、結婚パレードには約19万人がつめかけ、祝福の声に包まれました。
両陛下のご感想
「30年前、雨の降る中で執り行われた結婚の儀や午後の朝見の儀、多くの方から温かい祝福を頂いたパレードなどを懐かしく思い出します」
両陛下のご感想
「たくさんの方からの助けを頂きながら、二人で多くのことを経験し、互いに助け合いつつ、喜びを分かち合い、そして時には悲しみを共にし、これまでの歩みを進めてこられたことに、深い感謝の念を覚えます」
二人で歩まれてきた30年。その間、震災など度重なる自然災害に見舞われてきた日本。両陛下も被災地を訪問し、心を寄せられてきました。
両陛下のご感想
「つい先頃、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県の被災地を訪れましたが、これまでの人々の不断の努力と協力によって復興が着実に進んできていることを目の当たりにし、感慨深く思いました。今後とも国民の幸せを願い、二人で協力しながら務めを果たしていくことができればと考えています」
そして文書では「この国の人々の新たな可能性に心を開き続けていくことができれば」とした上で、「これからの時代が、皆様にとって明るい希望と夢を持って歩みを進めていくことのできるものとなるよう心から願っています」と結ばれました。
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今回の文書について、宮内庁担当の記者はどう見たのか。
宮内庁担当・笛吹雅子記者
「即位してすぐコロナ禍でご活動が制約される中で、どうしていきたいかをお二人でよく話し、考えたものを言葉にされていると感じました」
両陛下は今月17日から、即位後初めて国際親善の目的でインドネシアを訪問される予定です。
また、文書では長女・愛子さまについても触れられました。2002年の会見で、皇后さまは愛子さまについて「本当に生まれてきてありがとうという気持ちでいっぱいになりました」と話していました。
両陛下のご感想
「愛子は、私たちの生活を楽しく和やかなものにしてくれるだけでなく、愛子が学び、経験する一つ一つのことが、私たちにとっても新たな学びへとつながっていると感じます」
5月30日、ご一家は、陛下の御即位5年と両陛下の御結婚30年を記念した特別展を、たえず笑顔で鑑賞されていました。
宮内庁担当・笛吹記者
「(特別展では)たびたび笑い声が響いていて、宮内庁幹部は『このご一家の仲むつまじさが、活動の活力につながっている』と話していました。今後は成年皇族となった愛子さまもともに様々な活動にのぞみ、人々に寄り添っていこうとされるのではないでしょうか」