新型コロナワクチン接種費“一部自己負担”案が浮上 街の声は… 昨年度は国が「2.3兆円以上」負担
年末にかけ、新型コロナウイルスの感染拡大の第8波が懸念される中、ワクチン接種の費用の“自己負担”を求める意見が出ています。昨年度、接種費用のために投じられた国費は2兆3000億円以上にのぼっています。もし接種費の一部が自己負担になったらどうするか…街の人からは“打つかどうかは値段次第”という声も聞かれました。
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もし、新型コロナウイルスのワクチン接種費の一部が自己負担になったらどうするか、街の人に聞きました。
新型コロナワクチンを2回接種した50代
「ワクチン自己負担になった時には、ちょっと遠ざかっちゃうかもしれないですね…」
新型コロナワクチン未接種の20代
「元々無料だったものがお金が発生するとなると、もしかしたら打つ人が少なくなるんじゃないかな」
新型コロナワクチンの接種費用は現在、国が全額負担しています。昨年度、投じられた国費は2兆3000億円以上です。そこで7日、新型コロナワクチンの国による全額負担をやめる案が、財政制度等審議会で浮上しました。財務省は、インフルエンザのワクチン同様、「接種費用の一部を自己負担にすべき」という案を示したのです。
新型コロナワクチンを5回接種した60代
「いくらかかるのか…っていうことですよね。高ければちょっと、年金暮らしなので、ちょっとあれだけど」
「2000円くらいかな。2000円ぐらいだったらいいけど、それ以上はちょっと高い」
新型コロナワクチンを4回接種した70代
「払えるのは3000円かなあ…命を考えたらね」
新型コロナワクチンを2~3回接種した10代
「インフルエンザが3000円とかで打てるので、そのぐらいなら打ちに行くかな」
――5000円ぐらいかかると?
新型コロナワクチンを2~3回接種した10代
「絶対行かないです」
“打つかどうかは値段次第”という声が多く聞かれる中、こんな若者もいました。
新型コロナワクチンを3回接種した20代
「国があまり負担するのも大変かなと思うので、年とった親もいるので、1~2万円でも受けるかな」
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接種費用の負担を見直す案が出たことについて、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、インフルエンザと同じに変更するかなどをふまえ、接種費用の一部を自己負担とするかどうか判断するとしています。
加藤厚生労働相
「今後の感染状況や、新型コロナの感染症法上の位置づけ等にもよる。そうしたものをふまえながら、適宜適切に判断していきたい」
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新型コロナウイルスの感染者は日に日に増え始めています。東京では8日、新たに8665人の感染が確認され、増加傾向が続いています。
年末にかけ懸念される第8波。今も感染の主流となっているのはオミクロン株ですが、オミクロン株に対応するワクチンの接種率は、7.3%にとどまっています。
感染症学が専門で国際医療福祉大学成田病院・感染制御部の松本哲哉医師は、今後のワクチン接種について「『全員が打ちましょう』というより、『重症化リスクのある人は打ちましょう』と変わると思う。重症化リスクのある人はワクチンを接種してほしい」としています。