渋谷区長が「ハロウィーンに来ないで」――異例の要請ナゼ? 空き缶放置、ゴミ散乱…“路上飲み”悪化の懸念 雑踏事故の危険も
多くの人で混雑する“渋ハロ”について渋谷区長が12日、「来ないで」と呼びかけました。大きな要因としては、環境の悪化につながる路上飲みが根付いたことがあります。ハロウィーンを迎えて状況が悪化したり、雑踏事故が起こったりする懸念もあるようです。
■去年の「マナーを守って」から変化
有働由美子キャスター
「10月31日の東京・渋谷。ハロウィーンに合わせて、仮装した多くの人たちが街に集まります。ところが12日、渋谷区長が会見を行い、メッセージを発しました」
「『渋谷はイベント会場ではありません』『ハロウィーン目的でハロウィーン期間に渋谷区周辺に来ないでほしい』というものです。去年までは『マナーを守って楽しんで』としていたと思いますが、『来ないで』とは随分踏み込んだ発言になりましたよね」
■渋谷の街をウオッチして見えた実情
小野高弘・日本テレビ解説委員
「12日に渋谷の街をウオッチすると、実情が見えてきました。ビールを手に路上飲みをしている方を、渋谷区の担当者が注意。あちらこちらに路上飲みをしている人がいて、飲んだ後の空き缶を放置し、ゴミもたまっている状況でした」
「渋谷区長が『来ないで』と宣言した大きな要因が、路上飲みが渋谷に根付いてしまったことだといいます」
■酔って倒れる日本人の姿が拡散
小野委員
「取材をしていたら、約 1 か月前に来日した外国人留学生が画像を見せてくれました。『#渋谷メルトダウン』というハッシュタグで拡散されていた、酔った人が倒れている画像です」
「留学生は『みんなが泥酔している写真や動画を投稿しているアカウントです。素晴らしい! とても楽しそうに見えて、安全に見えました。アメリカでは財布とか帽子とかすられるので、そんなことできないですから』と言いました」
有働キャスター
「ある意味、治安がいいという面もあるのでしょうが、これが日本人の姿として拡散されるのは少し恥ずかしい気もします…」
■渋谷区長の懸念点には「雑踏事故」も
小野委員
「渋谷区長が非常に心配しているのは、この状態でハロウィーンを迎えると路上での飲酒がひどくなる恐れがあること。また多くの観光客が渋谷に集まると、去年韓国で150人以上が亡くなった梨泰院事故のようなことが起きてもおかしくない、との危機感があります」
「ただ、渋谷の街の人の受け止めはさまざまです」
専門学生(19)
「(“来ないで宣言”は)悲しいですね。行く所ないもんね、渋谷以外」
飲食店で働く人
「ハロウィーンだからといって店に来てくれるわけじゃなくて、道で騒ぐ人がほとんどなので、(区長の発言は)おおむね賛成ではいますね」
■増える外国人「路上で飲める」誤解も
小野委員
「去年はハロウィーンの参加者、仮装を見るために集まった人の約7割が外国人だったといいます。外国人の中には、路上でお酒が飲めると思っている人も多いです」
「そのため、区長は今後も外国人記者クラブで会見をしたり、日本を紹介する海外サイトなどにアプローチしたりして周知していきたい、と話しています」
■落合さんに聞く…「有料化するしか」
有働キャスター
「せっかくなら、世界で一番安全で街もきれいで楽しめるハロウィーンになればと思いますが、何かアイデアはないでしょうか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「これは有料化するしかないかなと思います。お金を取る。センター街に入るのに、お金を払ってパスがないと入れないようにします。レジャーランドと同じくらいの金額がいいのではないかと思います」
有働キャスター
「何千円か、ということですよね」
落合さん
「今は楽しんでいる人のコストを区民や都民全体が負担している状態なので、地域社会に負担をかけないためにはお金を取り、そのお金で警備の強化や掃除に充てる考え方です。お金を払ってまで行かない、という人は来ないくらいがちょうどいいのかなと思います」
有働キャスター
「そもそもハロウィーンは、子どもたちが楽しむためのお祭りです。大人が暴れて迷惑をかけるのは本末転倒で、そういう姿はダサいです。今年は、安全のために渋谷の人混みは避けて、かっこいい大人の楽しみ方で過ごしてほしいです」
(9月12日『news zero』より)