「彼氏が母にバレて断食」「悪魔のアニメだから見たらダメ」――“統一教会”元2世信者の壮絶な過去 「児童虐待」の指摘も
“統一教会”の元2世信者の30代女性がインタビューに応じ、両親から信仰を強制された子ども時代を語りました。恋愛やアニメなど生活には多くの制限があり、教義に反することをすると、厳しい戒めが待っていました。女性は「人生全てが奪われた」と言います。
■幼少期は「疑問に思う余地なかった」
両親がいわゆる“統一教会”の信者だという、元2世信者の女性(30代)に話を聞きました。
「(幼少期は)教団の教義は絶対に守らないといけない、この世の全てなのではないかと考えていました」「比較対象の知識がなかったので、疑問に思うという余地がなかったです」
生活には多くの制限がありました。
「有名なアニメを見たいなと思っても、『それはサタン(悪魔)のアニメだから見たらダメ』と言われたりして。(アニメを)見たりとかすると『目が汚れてしまった』って言われて、目をバシャバシャと洗われたりとか」
アニメだけではなく、恋愛にも及びました。
「自由な恋愛が認めてもらえない。中学生の時に初めて彼氏ができたんですけど、それがお母さんにバレてしまって。『断食しなさい』って言われて、ご飯を食べさせてもらえなくて。『“統一教会”の教義に反して男女交際をしたことを懺悔しなさい』と言われて…」
■献金で…家庭は「破綻状態」に
女性は親から教団への信仰を強制され、「『(教えに背くと)地獄に落ちる』という風にずっと恐怖心を植え付けられて育っていて、信仰するしかなかった」と振り返ります。
ただその後、家庭は献金により経済的に破綻状態になりました。命の危機すら感じ、就職と同時に家を出て、教団からも離れたといいます。
「“統一教会”の(信仰の)強要で『何を失いましたか?』って言われた時に、『人生全てが奪われたな』という風に考えます」
■専門家「専門知識で積極関与を」
子どもへの信仰の強制について、カルト問題を研究する立正大学心理学部の西田公昭教授は「(子どもには)信じない自由がないんです。否応なく勧誘活動や教義の勉強に連れて行かれて束縛される。いわゆる児童虐待の定義に当てはまる事柄が多いです」と言います。
対策については「児童相談所であったり、そういう専門の人たちも(宗教問題の)知識がない。専門的な知識を持った人を養成して、こういう事態に積極的に関与していく姿勢が求められるかと思います」と話します。
こうした問題について教団側は「心に傷を負われた2世信徒に対して、心からの謝罪を行っております。次の世代に受け継ぐことのできる教会となれるよう、より一層の精進を重ねて参ります」とコメントしています。
(8月4日『news zero』より)