東京都で「パートナーシップ宣誓制度」の運用開始 都道府県として10番目の導入
1日から東京都で、性的マイノリティーのカップルを公に認める「パートナーシップ宣誓制度」の運用が始まりました。導入を喜ぶ声もある一方、課題も指摘されています。
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先月、大学の講義にひとつの家族の姿がありました。長村さと子さんと、茂田まみこさん。都内で暮らす同性カップルです。
長村さんは、知人から精子提供を受けて、去年の12月に男の子を産みました。
茂田まみこさん
「私は(この子と)法律上、赤の他人なので、例えば育休取ろうと思っても取れない。日本ではLGBTQの権利、その家族について十分に守られていないような状況」
1日から運用が開始された都の「パートナーシップ宣誓制度」は、婚姻制度とは別のものですが、性的マイノリティーのカップルが暮らしやすくなることを目指すものです。
必要な書類をオンラインで提出すれば、都が受理証明書を発行します。親族であることが条件だった都営住宅へ入居などができるようになるほか、子どもの名前を証明書に記載することも可能です。
都の“パートナーシップ制度”について、長村さと子さんは「この子と、まみこが家族として証明するものって1つもないので、子どもの名前を残せるっていうところでは、ほっとしました」と話します。
都の“パートナーシップ制度”の導入は、都道府県としては10番目です。
茂田まみこさん
「東京都で半数になる(超える)んです、(人口)カバー率が。潮目は変わると思います。後につづくところも出てくる」
一方で、課題もあります。“パートナーシップ制度”は婚姻制度と違い、配偶者控除などの税制の優遇措置がなく、法定相続人にもなれません。
長村さと子さんは、「事実婚とも違うわけですから結局、何も変わらないっちゃ変わらない。ただ、大きく変わるのは当事者にとっては励みになる。存在がちゃんとそこにいるんだっていうことが、認知が広がるっていう部分も含めて、次のステップに行くためのものだと思います」と胸の内を語りました。