新型コロナウイルス・オミクロン株の濃厚接触者は、大学入試で当日受験を認めないとされた問題です。２７日、文部科学省は一転、同日に会場の別の部屋で受験を認める方向となりました。政府関係者は「まずいと思ったらすぐに撤回」などと述べています。

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２７日、東京・文京区の湯島天神には、合格祈願に訪れた受験生の姿がありました。

高校受験を控える受験生（１５）
「自分の志望校に合格できますように」

やはり今、気がかりなのは――

受験生の母
「オミクロン株がはやってて、我が家に持ち込みたくない」

高校受験を控える受験生（１５）
「学校とか出かけ先に行ったら、こまめに消毒してます」

受験シーズンが迫るなか、オミクロン株の濃厚接触者となった受験生の対応について、文部科学省は――

末松文科相
「別室受験により、（当日の）入試の受験を可能とする方針をとることにしました」

と記者会見で述べ、方針を一転させました。

デルタ株などの濃厚接触者の受験生は、要件を満たせば受験が認められる一方で、オミクロン株の濃厚接触者は別室での受験は認めず、追試験や振り替え受験で対応するよう、文科省は先週２４日に通知を出したばかりでした。

受験生からは――

医学部志望の受験生
「無症状なら別室で受験でいいと思う。本日程を受けられなくて追試を受けた場合、医学部だと２次試験までの期間が短くなる。受験（日程）が詰まってすごい不安」

こうした受験生の声に、岸田首相は――

岸田首相
「受験生の皆さんの間に、不安が広がっているのを承知しています。できる限り受験機会を確保する方策について、昨日、文部科学大臣に対して検討を指示しました」

２７日、文科省は受験生のオミクロン株濃厚接触者について、
・ＰＣＲ検査の結果が陰性
・当日に無症状であること
・会場に公共交通機関を利用せず自家用車などで向かう
などの要件を満たせば、当日、別室での受験を認める方向になりました。中学・高校受験についても、これに準じた形で検討を進めているということです。

末松文科相は、オミクロン株の濃厚接触者の１４日間待機をふまえた措置だったとした上で、「担当部署において、もう少し時間をかけて検討して、省内で意思決定のプロセスをはかるべきだった」と釈明しました。

政府関係者は――

政府関係者
「まずいと思ったらすぐに撤回。国民のためになる政策だからそれでいいというのが岸田政権の特徴」

文科省は２８日、再度改定したガイドラインを全国の大学などに通知する予定です。

（１２月２７日放送『ｎｅｗｓ　ｚｅｒｏ』より）