オミクロン株、呼吸やせきで感染しやすく?
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の拡大で感染者数が増える中、WHOは「重症化リスクは低い」との見解を示しました。鼻やのどで増殖しやすい一方、呼吸やせきで感染させやすいとも考えられています。行動制限は厳しいままなのでしょうか。
■オミクロン株拡大で…2000人超
有働由美子キャスター
「5日に全国で確認された新型コロナウイルス感染者は、4日の約2倍となる2638人でした。2000人超えは去年9月26日以来です」
「この理由の1つがオミクロン株の拡大ですが、WHO(世界保健機関)は『これまでの変異株に比べ重症化リスクは低い』という見解を示しました。どんな背景があるのでしょうか?」
■「リスク」「増殖場所」に違いは
小栗泉・日本テレビ解説委員
「多くの研究結果が集まってきて、オミクロン株の特徴が少しずつ見えてきました。まず入院リスクと、救急搬送される割合について確認します」
「イギリスの保健当局によると、オミクロン株はデルタ株に比べて入院リスクが50~70%低く、救急搬送される割合も31~45%低いとしています。こうした重症化しにくい理由は、ウイルスが増殖する場所が関係しています」
「WHOの分析担当者によると、これまでの変異株は、肺など下気道と呼ばれる場所で増殖していたため、肺炎などを起こして(しばしば)重症化していました」
「一方、オミクロン株は鼻やのどなど上気道で増殖しやすく、そこにとどまるため、症状が軽いという見解です。ただ、それだけに呼吸やせきなどで感染させやすいとも考えられます」
■「重症化リスク低い」どう考える?
有働キャスター
「そう聞くと、マスクもしっかりしなくてはと思います」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「年末年始を含め、久々に人通りが戻ってきているような印象がありますが、やはりまだまだ大人数の飲み会はダメとか、感染対策も厳重にという意識でいた方がいいのか、というのは悩ましいと思います」
「オミクロン株では、症状が風邪に近いのではという声も聞く気がしますが、実際はどうなのかなというのも気になっています」
■医師「厳しい制限からシフトも」
小栗委員
「専門家に聞きました。大阪大学医学部の忽那賢志(くつな・さとし)医師は『感染者数そのものが増えすぎてしまえば、重症者数は第5波を上回ることも考えられる』と指摘しています」
「一方で『もう2年以上も、あれもダメ、これもダメとやってきましたが、これまでのような厳しい制限からはシフトしていく段階ではないかと思います。会食で言えば、マスク会食、黙食などのルールを徹底した上であれば良いのではないか』とも話しています」
有働キャスター
「『もしかしたら、もうただの風邪と変わらないんじゃないの?』と思いたくなる気持ちにもなりますが、まだデルタ株も残っていますし、重症化しやすい方もいらっしゃいます」
「感染しない、させないことが一番というのは変わりませんので、あらためて、しっかりと私たちがやってきた対策をしてまいりましょう」
(1月5日『news zero』より)