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約半分が海抜0m東京・葛飾区の取り組み

2022年1月20日 22:18
約半分が海抜0m東京・葛飾区の取り組み

エリアの約半分が海抜0メートルの上、川に囲まれている東京・葛飾区では洪水時のハザードマップを複数用意するとともに車の避難場所を設けるなどの取り組みを行っています。日頃から、住んでいる自治体の対策を知って備えておくことが大切です。(社会部・松野壮志)

■複数あるハザードマップ

洪水が発生した場合を想定したハザードマップは、各自治体が公表しています。東京・葛飾区は約半分が海抜0メートル地域といって水害対策が重要な地域。

その上、区内に3つの川があり、川ごとに被害の様相も異なることから、ハザードマップが複数用意されています。その中にある赤い矢印は、洪水の際に避難する方向を示したもの。どの川が氾濫するかで行き先が変わるのです。近くの川の特徴や避難の仕方などを日頃から把握しておくことが大切です。

■コロナ禍でままならない避難訓練

避難訓練は、いざというとき、避難所への道に迷わないためにも大切ですが、コロナ禍で実施できていない地域も少なくありません。去年、葛飾区内では、感染状況が一時的に落ち着いたタイミングで、2つの町内会が合同で避難訓練を行いました。こうした訓練は、2年ぶりだったそうです。

参加した住民からは、「こんなに水害になる地域と知らなかったのでビックリしている」「ハザードマップや、アプリの開発が進んでいることが知れて、安心を得られた」といった声が聞かれ訓練は有意義なものになったようです。

また、葛飾区の町内会では水害が起きた場合の避難経路が一目でわかるシールを作成していました。各戸に配布し、玄関の扉に、はるなどして活用しているそうです。

■車も「避難」“無料”の駐車場も

一方、葛飾区では、水害時に車を避難させる取り組みも始めています。避難の際には、歩いて移動することが原則なので、マイカーなどは自宅などの駐車場に置いて行かざるを得ません。しかし、駐車場が1階や地下にある人も少なくなく、水没が心配です。

葛飾区内にある商業施設では、水害時に区の要請があれば、屋上の駐車場を区民に無償で提供することにしています。去年、区と協定を結んでいて、車は150台とめることができます。生活協同組合コープみらいの伊藤裕紀東京都本部長は、「不安があると思うので、少しでも高い場所に避難できるということで、少しは役に立てると思います。不安を少しでも取り除く場所になれば」

命を守るために、人が避難するのは一番大切ですが、その後の生活のことなども考えると、車も水没を免れられれば安心です。また、足が不自由な人など歩いて避難できない人も、こうした場所に早めに車で避難することも選択肢の一つです。

こうした取り組みについて、葛飾区危機管理課の長谷川豊課長は、「葛飾区は山がないので、人工的な建物、特に高い建物の方々にご協力をいただいている。46万人の区民がいるので、全ての方々が安心して避難できるようにするのが、我々の役目だと思っている」

水害時に駐車場を提供する取り組みは全国各地で広がりつつあります。お住まいのところではどうか、自治体のホームページなどであらかじめ確認して備えてほしいと思います。