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チリ地震、1万7500キロ先の日本で津波

2010年2月28日 21:52
チリ地震、1万7500キロ先の日本で津波

 チリで現地時間27日午前3時半に発生したマグニチュード8.8の大地震で、日本列島では28日、太平洋沿岸で津波が発生した。

 今回の地震で、震源地の北部にあるコンスティトゥシオンでは、津波が押し寄せた。津波で押し寄せた海水は町を覆い、船は町の中まで流されていた。ドゥワオでは遊園地が壊滅状態になり、観覧車だけが残されていた。この遊園地では、飼育していた動物を高台に避難させたが、ライオンだけが残されたという。

 この津波は、1万7500キロ離れた日本にも押し寄せた。

 気象庁は28日午前9時33分、青森県から宮城県の太平洋側に大津波警報を発表した。青森・八戸市では、パトカーや消防車が出動して警戒を呼びかけ、高台に集まった住民は心配そうに海を見つめていた。

 三陸地方の太平洋側の人々が津波をより警戒するには理由があった。60年にチリで起きたマグニチュード9.5の地震で、津波が三陸地方に押し寄せ、死者と行方不明者は142人に上り、大きな被害を出したのだ。

 28日午後1時過ぎからは、日本でも津波が観測され始めた。宮城・気仙沼市では、海岸沿いの道路が水につかった。

 日本列島の広範囲に出された津波警報は、首都圏の交通網を直撃した。JR東日本では、太平洋側を走る路線を中心に運転を見合わせる路線が続出した。

 気象庁によると、今後も第2波、第3波に警戒が必要だという。