×

“猛烈な勢力”台風2号近づく 水害への備え“巨大施設”を地下に… 神奈川・厚木市

2023年5月26日 19:35
“猛烈な勢力”台風2号近づく 水害への備え“巨大施設”を地下に… 神奈川・厚木市

猛烈な勢力となっている台風2号は、来週には沖縄に接近する予想です。その影響で本州付近では停滞する前線に台風周辺から湿った空気が流れ込み、大雨となるおそれがあります。こうした中、神奈川県厚木市は水害への備えを進めていました。市の中心街の地下に浸水被害を小さくするための巨大な施設を整備していました。

   ◇

26日、沖縄では台風2号が近づく気配が感じられました。石垣島のホームセンターには、早くも台風対策コーナーが作られていました。

市民
「久しぶりに強いのが来るので用心しようと」

アメリカのグアム島付近を通過した“スーパー台風”は日本のはるか南で猛烈な勢力に発達しました。観光や修学旅行などでコロナ前よりも宿泊客が増えているという那覇市のホテルでは、キャンセルが出始めているといいます。

ホテルパームロイヤルNAHA国際通り 高倉直久総支配人
「(台風が)沖縄に直撃すると予想されてしまうと、かなりの数のキャンセルが出てしまうのではないか」

台風に備えながら、安全に楽しんでもらえるよう対応したいということです。

台風2号は来週前半には沖縄に近づく予想です。その影響で、本州付近では停滞する前線に台風周辺から湿った空気が流れ込み、大雨となるおそれがあるのです。

神奈川県厚木市は水害への備えを進めていました。案内してもらったのは、中心街にある公園のマンホールです。

厚木市・下水道施設課 松本賢治課長
「こちらの方から、マンホールから入ることができます」

地下へ下りていくと、全長1キロにわたるトンネルのような施設がありました。

厚木市・下水道施設課 松本賢治課長
「今年の3月に完成した。こちらの方に大雨が降った時に一時、雨をためて浸水の被害を軽減させるというような施設」

急に降る大量の雨で下水管だけでは排水しきれなくなった時に、一時的に雨水などをためることができるといいます。その量は小学校のプール14杯分です。市では、今年の3月までに中心街の2か所に雨水をためる施設を整備しました。きっかけとなったのは10年前の浸水被害です。

厚木市・下水道施設課 松本賢治課長
「(厚木市街で)今まで降った雨で一番強い雨が降りまして、それが1時間あたり65ミリ」

当時(2013年4月)、道路は一面冠水、住宅などで床上浸水の被害が発生しました。2つの施設が完成したことで、10年前のような雨が降ったとしても浸水被害を軽減できるということです。

大雨への備えは「マンホール」でも行われていました。

大雨の際によく見られるのが、マンホールから大量の水が噴き出す光景です。この時、「マンホールのふた」は一体どうなっているのか?埼玉県にあるマンホールのふたを製造する会社に、ふたに下から水圧がかかった時の状況を調べるための実験装置を特別に見せてもらいました。

実験を始めると、ふたが少し浮き上がり、隙間から大量の水が噴き出しました。

実は現在作られている下水道などのマンホールのふたにはロックがあるため、水圧がかかっても15ミリほど浮き上がるだけで、ふたが飛んでいくようなことはないといいます。ただ、このロックがないと…

記者
「ふたが一気に持ち上がりました」

長島鋳物・営業部 井上好道部長
「安全対策が施された(マンホールの)鉄ぶたを使うようにと2005年に規格が変わっております」

ただ、マンホールのふたの情報発信を行う団体によると、全国に1600万基以上あるというマンホールのふたのうち、5分の1は老朽化し、事故につながるおそれもあるため、早急な対応が求められるということです。