歌舞伎俳優で人間国宝の中村富十郎さん死去
歌舞伎俳優で人間国宝の5代目・中村富十郎さんが3日、直腸がんのため亡くなった。81歳だった。告別式は後日、営まれる予定。
富十郎さんは去年11月、体調不良を理由に東京・新橋演舞場「吉例顔見世大歌舞伎」を休演し、2日から行われている「壽・初春大歌舞伎」も休演していた。
富十郎さんは43年、14歳で4代目・坂東鶴之助として初舞台を踏み、72年には5代目・中村富十郎を襲名。芸の幅広さに定評があり、94年には人間国宝に指定された。
66歳だった96年には、33歳年下の元女優・正恵さんと再婚し、69歳の時に長男・鷹之資さんが誕生、05年には親子共演も果たした。
人間国宝としてともに歌舞伎界を生きた坂田藤十郎さんは「私にとっては、最初に一緒に歌舞伎の勉強を始めた同級生のような存在。もう一度、舞台で共演したかったのに、とても残念です」とコメントした。