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断水影響で生乳出荷できない牧場“牛舎被害”経営は岐路に…石川・珠洲市から中継

2024年1月29日 16:09
断水影響で生乳出荷できない牧場“牛舎被害”経営は岐路に…石川・珠洲市から中継
能登半島地震から4週間となりました。石川・珠洲市では長引く断水の影響で生乳の出荷ができていない牧場があります。牛舎も被害を受けるなど経営は岐路に立たされています。中継です。

珠洲市唐笠町にある松田牧場です。この牧場では45頭の乳牛が飼育されているのですが、現在、生乳は一切出荷できていません。というのも断水の影響で搾乳機などの洗浄が出来ず、代わりに山からの湧き水で対応していますが、衛生の関係上、出荷はできないといいます。

ただ搾り続けなければ乳房炎などの病気も心配されるため、搾乳自体は続けているといいますが、子牛にあげたり、一部は捨ててしまっているということです。

別の牛舎では黒毛和牛30頭を飼育していましたが、地震の影響で牛舎が傾く被害もありました。牛に危険が及ぶ可能性があるとして牛舎の外に放ちましたが、3頭は地震でパニックになったのか外に出ようとしないということです。

また外に放った牛の中には敷地などを囲う電気柵を壊し、行方が分からなくなってしまったものもあるといい、経営者はこの状況に「どうしたらいいのか」と頭を悩ませていました。

松田牧場・松田徹郎さん(35)「規模は縮小せざるを得ないと思うのですが、牧場の経営をあきらめるつもりは全くなくて、継続して経営していきたい」

被災前は収入の半分を占めていたというこちらの乳牛ですが、全頭売却することも検討しているということです。

周りにはさらに深刻な被害を受けている牧場もあるといい、今後立て直しには資金的な援助も必要になってくると話していました。