トランプ氏、まもなく就任式 初日から“約100本の大統領令署名”明らかに…「TikTok」は?
アメリカのトランプ次期大統領の就任式が迫っています。現地はマイナス6℃、晴れという状況です。就任初日から100本の大統領令に署名すると明らかにするなど、早速、異例の動きを見せています。
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トランプ次期大統領(19日)
「We will Make America Great Again!(アメリカを再び偉大な国に!)」
まもなく就任式が行われ、アメリカの大統領に返り咲くトランプ氏。
しかし、就任式が行われる首都・ワシントンはいま、強烈な寒波に見舞われ20日は、最高気温も氷点下予想。本来、議事堂の外で行われるはずの就任式が、40年ぶりに屋内での開催に変更となりました。入場チケットは22万枚配布されていましたが、収容人数は600人ほどのため、多くの支持者が入れない状況に。
トランプ氏の支持者
「ここにいられるだけでうれしいです。この歴史的なイベントの熱気を感じられるので」
就任を前に、支持者らの前で演説を行ったトランプ氏。
増田理紗記者(米・ワシントン、19日)
「トランプ次期大統領が集会場に姿を見せました。会場は大きな歓声にわいています」
観衆
「USA!USA!USA!」
大口の献金者らを招いた夕食会では、早速“トランプ節”が。
トランプ次期大統領(19日)
「私の政権は、アメリカが直面するすべての問題に立ち向かい、国を再び成功と偉大さへの道に戻すために、迅速かつ断固たる行動をとる。就任後数時間以内に100本近くの大統領令に署名する」
大統領が即座に行政命令を下せる「大統領令」。
4年前にバイデン大統領が就任初日に署名した9本と比べても、今回の100本近くは“異例”の数です。「関税の強化」や「不法移民対策」などに署名する方針で、その中の1つが…
トランプ次期大統領(19日)
「きょうをもってTikTokは戻ってきた!!」
動画投稿アプリ「TikTok」に関する大統領令です。中国系企業が運営するTikTok。アメリカ国内のユーザーは1億7000万人以上にのぼっていますが、バイデン政権下で「安全保障上の懸念がある」として、利用を事実上、禁止する法律が成立していました。すると、発効を前に18日夜からサービスが停止に。利用者からは…
TikTok利用者
「たくさんの人が収入やビジネスを失うことになります」
こうした声も上がる中、トランプ氏は…
トランプ氏のSNSより
「TikTokを救え!」
就任初日に法律の施行を猶予する大統領令を出す考えを示し、「TikTok」は利用停止から1日もたたずに“復活”したのです。
トランプ氏は、TikTokについて「アメリカが合弁事業の形で50%の所有権を持つべきだ。そうすればTikTokを救える」と主張しています。
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さらに、トランプ氏が最も力を入れたいと話したのが、不法移民への規制です。
トランプ次期大統領(19日)
「まもなくアメリカ史上最大の強制送還作戦を開始する」
トランプ氏は急増している不法移民によって、国内の治安が悪化していると主張しています。連邦当局によると、現在アメリカに住む不法移民は推計約1100万人。首都ワシントン近郊の街にも、大勢の不法移民が暮らしています。
レンタカー会社周辺にたむろする男性たち。記者が近づくと…
男性たち
「引っ越しの手伝いは必要か?」
「労働力はいるか?」
記者を取り囲み、引っ越しを手伝うと“売り込み”が始まりました。すると…
男性たち
「俺と話せ」
「いや俺と話せ」
仕事の奪い合いに。
記者
「ビザはあるんですか?」
男性
「いいえ…」
彼らのうちほぼ全員が在留資格を持たない不法移民だと明かしました。移民の強制送還をめぐっては、労働力不足による賃金上昇が価格に転嫁され、インフレをまねくとの指摘も出ています。
(1月20日午後11時15分ごろ放送『news zero』より)