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首都直下地震に備える 東京の防災力向上へ

2012年1月2日 15:00

 東京都は、必ず来る首都直下地震などの大地震に備えるため、防災対策の強化に乗り出している。

 東京都は11年12月に発表した「10年後の東京」を描く計画の中で、高度な防災都市の実現を目指すという目標を掲げた。東日本大震災では、首都圏で515万人の帰宅困難者が発生したと推定されている。東京都はこの教訓をふまえ、企業などに従業員の帰宅を抑制させるなどの基本方針の下、企業に3日分の備蓄を促す条例を3月までに制定させる考え。

 東京都は、社会全体で帰宅困難者対策を構築する「共助」の仕組みをつくりたいとしている。2月3日には、新宿駅などの主要ターミナル駅周辺で大規模な帰宅困難者対策訓練も実施される。

 また、「10年後の東京」の計画の中では、防災上重要な消防署や災害拠点病院、避難所として利用される公立小中学校の他、不特定多数の人が利用するホテルや劇場なども耐震化を100%完了させるとの目標が掲げられた。4月からは、特定緊急輸送道路に指定されている沿道の建築物についても、耐震化を促すために耐震マークの表示制度をスタートさせる。

 この他、燃えない街づくりを目指すために、木造密集地の不燃化プロジェクトも強化される。東京都は、密集地を抱える区に取り組みを強く働きかけ、防火規制の拡大や税制の優遇などを用意して、燃えない街づくりの対策を進める。

 4月には、東京防災会議が首都直下地震や関東地震などについて被害想定を見直す。

 東京都は、大震災に対応するためには自助・共助・公助それぞれの取り組みを強化し、東京の総力を結集して防災対策を構築する必要があるとしている。