首都直下地震を想定して民間の大型船に医療器具を積み込み、患者の治療をする訓練が２５日、行われた。

　訓練は、東京港に停泊した民間の大型客船に医療器具を積み込み、病院に見立て行われた。医師らが地震でケガをした人に応急処置をしたり、人工透析が必要な患者に治療をしたりする訓練が行われた。首都直下地震が起きた場合、陸地の病院が被災し機能が失われる恐れがあることから、国は海を活用して被災者対策を進める方法を検討している。

　２５日の訓練では、船の中の通路が狭く実際の病院のようなスムーズな患者の搬送ができなかったという。国は今後もこうした訓練を行っていきたいとしている。

　こうした「病院船」を造るには費用が高く維持費もかかるため、民間の船を活用する方向で検討を進めている。国は、来年３月までに災害時に活用できる国内の民間船の数など把握したいとしている。