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豪州原産の毒グモ、福岡県内で相次ぎ発見

2012年11月12日 20:42
豪州原産の毒グモ、福岡県内で相次ぎ発見

 強い毒を持つ「セアカゴケグモ」が福岡県内で相次いで見つかっている。かまれると「めまい」や「おう吐」などを引き起こすため、自治体は12日も駆除を行った。

 セアカゴケグモは赤い背中が特徴の毒グモで、体長は約1センチ。強い毒を持っていて、かまれると激痛が走り、めまいやおう吐などの症状が出るという。オーストラリアが原産だが、日本国内でも生息域が広がる事態となっている。

 福岡・古賀市では、市の施設「サンフレアこが」などでセアカゴケグモが相次いで見つかったため、12日に駆除作業が行われた。さらに、古賀市の隣の福岡市でもセアカゴケグモが急増し、問題になっている。今年9月、セアカゴケグモにかまれた女性は、全身の痛みや息苦しさを訴えて、病院に運ばれた。命に別条はなかったという。現場となった人工島で、この4年間で駆除されたセアカゴケグモの数は、8200匹以上に上る。近くには子供が利用する公園もあり、市民は不安を口にしている。

 セアカゴケグモはもともと日本には生息しておらず、大阪で17年前、国内で初めて見つかった。海外から輸入されたコンテナなどにくっついて入ってきたとみられている。以来、近畿地方だけでなく、九州や関東でも発見が相次ぎ、去年には宮城県でも確認されている。これまでに見つかった自治体の数は23に上る。繁殖力が強く、メスは一匹で5000個の卵を産むこともあるということで、生息範囲の拡大が懸念されている。

 セアカゴケグモはオーストラリア原産で、暖かい地域に生息するはずだが、立冬を過ぎ、肌寒い日が増えた最近になっても発見例が相次いでいる。理由について、クモの研究をしている追手門学院大学・加村隆英教授は、「例えば自動販売機の裏側だとか、人工的に常に照明がつく場所だとか、クモが生きていくのに十分な温度が確保されていて、その結果、越冬しているということも大いに考えられる」としている。

 セアカゴケグモは、真冬になってもエアコンの室外機の裏などに潜んで越冬する可能性があるため、警戒が必要だという。加村教授は、見つけても絶対に素手で触らないよう注意を呼びかけている。

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