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「2024年問題」に立ち向かう物流業界 ドライバーの“残業規制”始まり影響も

2024年4月20日 19:07
「2024年問題」に立ち向かう物流業界 ドライバーの“残業規制”始まり影響も

人手不足によって輸送力の低下が懸念される物流の「2024年問題」。現場では、私たちの生活を守ろうと様々な取り組みが進められています。

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スーパーに並ぶジャガイモなどの野菜。私たちの食卓に欠かせない野菜が店頭に並ばない日があるかもしれないのです。

――ジャガイモがもし店頭に並ばなくなったら?

買い物客
「困りますね」「消費者にとっては安い方がいいですけど、2024年問題があって、どうしてもその辺が(値上げなど)でてきてしまうとおもうので」

今月からドライバーなどの残業時間の規制が強化され、影響が深刻化する“物流2024年問題”

トラック輸送が制限される中、期待が高まっているのが貨物列車を使った輸送です。この日、都内にあるJRの物流拠点に届いたのはジャガイモが入ったコンテナ。北海道から鉄道貨物で運ばれてきました。

現在、野菜などは長距離トラックでの輸送が主流となっています。しかしドライバーの負担軽減のため、貨物列車を使った輸送を増やそうとしているのです。

JR貨物によりますと、すでに一部の荷物をトラックから切り替えた企業もあるといいます。徐々に増えてきている貨物輸送。

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一方、輸送量の大幅低下を余儀なくされているのがトラック輸送です。

神奈川県相模原市に物流センターを構え物流・トラック運送を手がけている会社「NEXT Logistics Japan」では、2024年問題に立ち向かうべく対策を進めています。

よく見かけるトラックのようですが、2つのトレーラーを連結して運転手1人で倍の輸送を可能としていました。

NEXT Logistics Japan・梅村幸生社長
「トレーラーを連結することで大型トラック2台分を1人のトラックドライバーで運べるという車両になります」

ただ、トラック輸送の課題があります。

例えば、食品と自動車部品を一緒に運ぶ場合。他の商品ににおいがついてしまうことなどから、組み合わせて運ぶのが難しいとされています。そのため、トレーラーにいっぱいまで荷物を積めず、現在、国内のトラックの積載率はおよそ4割にとどまっています。

そんな課題を解決するシステムがあるということです。

NEXT Logistics Japan・梅村幸生社長
「組み合わせを最適化するための量子コンピューターを使ったソフトウエアを作りまして」「何と何を組み合わせても大丈夫か、そしてそれによって積載効率がどれだけ高まるかというのを自動的に計算」

この会社が開発したソフトでは荷物の種類などの情報を入力するだけで、配置や組み合わせを瞬時に計算。無駄がなく、においの問題もクリアして積めるといいます。

NEXT Logistics Japan・梅村幸生社長
「荷物の積み方と結果的な積載効率、生産性がどれだけ上がるかということを自動で計算してくれる。行きも帰りも全ての便で6割以上の積載率をマークしております」

はじまったばかりの物流問題。これから、本格的に私たちの身近なところへの影響が懸念される中で、消費者の生活を守るため貨物列車やトラック業者などの様々な工夫が日々、続けられています。