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「置き配」拡大 配達員は負担軽減 “盗難”の懸念も… 「置き配 使ってますか?」

2024年4月19日 22:50
「置き配」拡大 配達員は負担軽減 “盗難”の懸念も… 「置き配 使ってますか?」

「物流の2024年問題」の対応策として、「置き配」の導入が拡大しています。家の“外”に置くことに対して、「盗難」を心配する声もありますが、新たなカタチや対策が模索されています。

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19日、「news every.」は荷物の「宅配業者」に密着取材しました。

K’s Ring 中山雄太さん
「次、行きます!」

記者
「もう次ですか? 爆速ですね!」

すごい早さで階段を駆け上がり、配達中は常に小走り。

記者
「こんなペースで、いつも回っているんですか?」

K’s Ring 中山雄太さん
「そうですね。もう1件、行きます」

1日の配達数は、約200個。とにかく“大忙し”の配達員。

“2024年問題”で人手不足も懸念されるなか、そんな大忙しの配達員の負担軽減につながると期待されているのが――「置き配」です。

K’s Ring 中山雄太さん
「最近『置き配』が増えてきましたね。(今まで)再配達で、ご飯とか食べる時間も正直なかったんですけど、今はちゃんとご飯とか食べる時間もつくれています」

宅配大手のヤマト運輸も、6月から会員登録をすれば、主な配送物について「置き配」で受け取りできるようにする、と発表しました。(※冷凍・冷蔵を除く)

そこで、街の人に聞いてみました。
――「玄関前などに荷物を置く、『置き配』を使っていますか?」

利用している人
「配達される時間に必ず家にいると限らないので、置いてもらう方が楽かな」

利用している人
「子どもが寝てたりするので、チャイム鳴らされたくないので…『置き配』してもらえると助かります」

再配達の必要がなく、コロナ禍をへて「置き配」の需要が増えていますが、なかには――

利用していない人
「利用したことはないです」

――置き配しない理由は?

利用していない人
「盗難とか、そういった理由ですかね」

“盗難のおそれ”を心配する声も多く聞かれました。

利用していない人
「道から家の荷物が見えるので、『荷物あるな』っていうのがわかる。とりはしないかなとは思ってるんですけども…」

利用している人
「実際のところ、“とられたらどうしよう”っていう心配もあります」

国土交通省の調査では、「置き配」を利用しない理由として、約3割の人が「盗難されないか心配」と回答しています。

「置き配」で、もしも盗難が起きた場合、ヤマト運輸などの各社は、状況により補償する場合もあるとしていますが、受け取る側の私たちが、気をつけられることはあるのでしょうか?

流通経済大学 経済学部 板谷和也 教授
「普通の人からは見えないような場所に置いてもらう。あるいは、カバーと鍵がかかるような場所を作っておいて、そこに入れてもらう」

実際に、鍵がついていて開けられない、ワイヤつきの「置き配」用の袋も市販されています。

「置き配用の袋」を利用する人
「便利だと思います。手すりにくくりつけとく」

宅配ボックスと2個使いしているといいます。

都市部だけでなく、農村地域では新たな「置き配」も。

今月、北海道・上士幌町で、ドローンを使った「置き配」の実験が行われました。荷物を運ぶドローンが、台の上に着陸。荷物を置いて飛び立つと、遠隔操作でフタが閉じます。

農村地域では、農作業に出て留守がちで、民家も一軒一軒が遠く、再配達もままならないことが課題となっています。

その解決策として期待されるのが、ドローンを使って、配達業者が遠隔操作で「置き配」できる、「ドローンステーション」という設備です。開発企業は実用化に向け、盗難防止のロックをつけることを検討中だということです。

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