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「本当に厳しい状況になってきた」物流の“2024年問題” 輸送能力不足に頭を悩ます飲食店、農家

2024年4月3日 5:45
「本当に厳しい状況になってきた」物流の“2024年問題” 輸送能力不足に頭を悩ます飲食店、農家

飲食店、そして農家などがいま頭を悩ませているというのが物流の「2024年問題」です。私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。

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2日夜、都内の飲食店では…

「お待たせしました。白身魚のパイ包み焼きが焼き上がりました」

この飲食店は、新潟や北海道などのこだわり食材を使った郷土料理が売りだといいますが、いま頭を悩ませているのが、物流の“2024年問題”です。

さかなやしんせい 神田拓海代表
「ドライバーさんが不足して、いま時間指定で運びをお願いしていたものが、時間指定ができなくなったりとか。うちとしても、発注の仕方とか考え方を変えないといけないかなと不安に思っています」

4月1日から始まった、トラックドライバーの時間外労働の上限規制は、残業時間が年間960時間に制限されることによって、輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」と懸念されています。

この店では今後、配送が遅れた場合などを考えて1回の仕入れの量を増やし、食材を加工し冷凍保存するなど、対応していくといいます。ただこれからの季節に、こんな不安も…。

さかなやしんせい 神田拓海代表
「新潟の農家から直接、旬の食材を送ってもらっているので、夏野菜で枝豆、トマト、どれも傷みやすい食材なので、あまりまとめて一気に入れて長期保存したくない」

――別の産地(の食材)に変えることも?

さかなやしんせい 神田拓海代表
「可能性はあると思います。お客様にご不便のない選択肢をとらざるを得ない日が来たら、そうなるかもしれない」

影響は、出荷する側の農家にも出ています。都内のホテルやレストランに野菜を届けている農園では、ここ数か月である変化が…。

カラフル野菜の小山農園 小山三佐男代表
「大体、午前中に電話すれば、お昼には集荷に来てもらえるというのが、去年までだったんですけど、徐々に徐々に遅くなってきたなという感じは受けます。『どうしてもドライバースタッフさんが足りないので、すみませんけど、ちょっと遅れます』と」

そこで農園から近い届け先については、できる範囲で自ら配達することに。

――何軒くらい行った?

カラフル野菜の小山農園 小山三佐男代表
「きょうは6軒。大体3時間かかりますね、行って帰って来れば。その時間、本当ならば畑作業したいんですけど、どうしても配達に(時間が)取られてしまうので」

それでも時間通りに届けるには、3日も自分で配達に行かざるを得ないといいます。

カラフル野菜の小山農園 小山三佐男代表
「人手不足も肌で感じますし、本当にドライバースタッフさんが一生懸命やっているのは分かるので、これ以上、僕らは強く言えないので。ある程度は自分で動かなきゃダメなのかな、というのは覚悟しています。それかスタッフを雇うか、こっちで、ドライバー専用の。本当に厳しい状況になってきましたね」

(4月2日放送『news zero』より)