旬の“春キャベツ”が高値 仕入れ値が倍に 小さいまま生育止まり…
旬を迎えた“春キャベツ”が高値となっています。スーパーでは仕入れ値が去年の倍になり、節約にいそしむ消費者からは困惑の声が聞かれました。
とろとろに煮込んだ、デミグラスソースのロールキャベツを提供する東京・台東区のロールキャベツ専門店。使っているのは、その日の朝に届いたキャベツです。
お客さん
「おいしいです」
しかし…。
ロールキャベツ専門店rolls 店主
「キャベツがこんなに値上げすると思わなかったので」
通常なら、1ケース(6玉入り)1200円ほどで仕入れられるはずですが、約2週間前、倍近い値段の約2300円にまで高騰。今も高値が続いているというのです。1日に使うキャベツはおよそ20玉。欠かせない食材の値上がりに…。
ロールキャベツ専門店rolls 店主
「キャベツを使わないとお料理作れない。すごく困るところではある」
春の訪れを告げる“春キャベツ”の産地、神奈川・横須賀市では…。
キャベツ農家
「小さいです。探すのが大変」
いったい、何が起きているのでしょうか?
この時期、一番売れるという“春野菜”が…。
アキダイ 秋葉弘道社長(東京・練馬区)
「“春キャベツ”です。異常な高値が続いているなと」
先週、仕入れ値が去年の2倍ほどに跳ね上がったという“春キャベツ”。高値が続き、4月2日は1玉238円で販売されていました。
ありとあらゆるものが値上がりしている昨今。“春の味覚”まで値上がりし、買い物客は…。
買い物客
「(高値のキャベツは)あんまり買わないかな」
柔らかさと甘みがさらに増すため、生で食べるのがおいしい“春キャベツ”。東京都中央卸売市場の卸売価格も、平年に比べて約4割高値になっています。そのため、節約にいそしむお客さんが、あちらこちらにいました。
買い物客
「(1玉)100円台だと思ってたけど、200円超えていたので(買うのを)半分にした」
「毎日スープを作るので、食べますね、こういう硬いところも。ない知恵を絞ってやっています」
もったいないのでキャベツの芯などまで、余すことなく料理に使っているといいます。
産地では、何が起きているのでしょうか? キャベツの一大産地、三浦半島の横須賀市でキャベツを作り続けて37年という農家を訪ねました。
キャベツ農家 原田泰則さん
「小っちゃい。これもちょっと小さいかな。生育が止まってしまって」
右が、本来、この時期にとれるサイズの“春キャベツ”。しかし、今年は左のような、小さいままのものが多いというのです。
キャベツ農家 原田泰則さん
「3月になって寒くなって生育が止まってしまって。収穫は遅れてる状態ですね」
3月に異例となる“寒の戻り”が続いたため、“春キャベツ”の成長が遅くなり、例年通りの時期に、出荷できない事態となっていました。
農水省によると、キャベツの高値は4月前半まで続く見通しだということです。