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首相靖国参拝、中韓からの旅行者数に影響?

2014年1月3日 20:10

 去年、日本を訪れた外国人旅行者の数は、年間1000万人の大台を超えた。政府は次の目標として、2020年に2000万人を目指すとしているが、安倍首相が靖国神社の参拝に踏み切ったことで、中国や韓国からの旅行者の動向に影響が出るのではないかとの見方も出ている。

 政府は2003年から、外国人旅行者の数を年間1000万人にすることを目指していたが、それから10年目の2013年、悲願を達成した。この背景には、2013年7月に観光ビザの要件の緩和を行ったことで東南アジアからの旅行者が増えたことや、尖閣諸島沖の漁船衝突事件以降、落ち込んでいた中国人旅行者の数が2013年9月から3か月連続で過去最高を記録したことなどが挙げられる。

 その一方で、外国人旅行者の4分の1を占める韓国からの旅行者は、福島第一原発の汚染水漏れが大きく報道されたことから、2013年10月から2か月連続で前年同月を下回り、1000万人達成を遅らせる要因となった。

 旅行者の数は社会情勢などに大きく左右される傾向にあるが、先月26日に安倍首相が靖国神社を参拝したことで、韓国の旅行者がさらに減ることや、好調だった中国の旅行者も減少するのではないかとの見方も出ている。

 政府は1000万人の次の目標として、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの年に2000万人を目指すとしているが、その第一歩となる2014年は不安材料を抱える形で迎えることになった。