渋谷の路上飲酒「通年禁止」へ条例改正案 “路上飲酒できる街”?──外国人の誤解の背景に SNS「渋谷メルトダウン」も
東京・渋谷区が、路上飲酒を通年で禁止する条例改正案の成立に向け、準備しています。渋谷では多くの外国人がパトロール隊に注意されていますが、その背景にはSNSの影響も考えられます。新宿区も一部の地域で期間限定で禁止する条例案を提出します。
藤井貴彦キャスター
「午後11時を回っても東京・渋谷で続けられているのが、路上飲酒などをしている人たちへの声かけです。渋谷区が行っているこのパトロールは毎晩午後8時~翌朝5時、日曜~木曜は8人、金曜と土曜は13人の警備員が声かけをしています」
「現在は『ゴミだけお持ち帰りお願いします』などとお願いをするというスタンスなので、なかなか大変そうです」
藤井キャスター
「今、渋谷区は飲酒禁止の条例を拡大し、通年にしようという改正案を区議会に提出し、6月中の成立を目指しています。新宿区も 4 日、歌舞伎町などの一部でハロウィーン期間に限った路上飲酒禁止の条例案を 6月区議会に提出すると発表しました」
「東京の繁華街で路上飲酒を禁止にするという動きが広がっています」
波瑠さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「路上で飲酒する人たちは、公共の場所であるという認識がなくなってしまうのでしょうか…?」
藤井キャスター
「この動きをどう見ればいいのでしょうか?」
「渋谷区の改正案を詳しく見ていきます。路上飲酒禁止のエリアについて、これまでハチ公前やセンター街などに限られていましたが、これを飲食店が軒を連ねる宮益坂周辺や円山町、渋谷区役所などのエリアに広げる見通しです」
「そして期間については、これまではハロウィーンや年末カウントダウンの当日などに限られていましたが、改正されると通年、つまり一年中となります」
「これまで期間外はあくまでもお願いベースでしたが、通年になると毎日、条例に基づいて『路上飲酒禁止ですよ』と声かけができるようになります」
藤井キャスター
「スタンスが変わるわけですから、声かけもしやすくなるかもしれませんね」
小栗委員長
「渋谷センター街で路上飲酒をパトロール隊に注意された1日の平均人数は、ハロウィーンもカウントダウンもない今年4月の週末(金・土・祝前日)に158人以上に増加しました。去年9月からの調査で最も多くなり、外国人が7割以上を占めています」
「その背景の1つに考えられるのがSNSです。『渋谷メルトダウン』というハッシュタグで、泥酔している人の映像が拡散されていました」
「取材に応じてくれたアメリカからの留学生は『みんなが泥酔している写真や動画はとても楽しそうで、安全に見えました』と話しました」
「渋谷は路上飲酒ができる街、というイメージが広がっていました。渋谷区の安全対策課長は『今回の対策で、外国人の間にも渋谷はそういう街じゃない、ということが広まってくれればいい』と話しています」
「改正案に罰則はありませんが、今年10月からの施行を目指しています」
波瑠さん
「自分たちだけではなくて、周りの人のことも考えてほしいです。こういうルールにしなくても、マナーやモラルの段階でどうにかできなかったか、改めて残念ですし悲しいです」
藤井キャスター
「一方で外国人観光客の皆さんは、本当にここではお酒を飲めるものだと思って来ているわけですから、その前にどう伝えるのか。これから、その点が重要になってくるのかもしれません」
(6月4日『news zero』より)