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【解説】1人あたり月450円程度? “子育て支援金”の負担額は

2024年3月29日 20:36
【解説】1人あたり月450円程度? “子育て支援金”の負担額は

少子化対策のために創設される支援金の国民1人あたりの平均負担額が発表されました。これについて、日本テレビ報道局の庭野めぐみ解説委員が解説します。

■2026年度から徴収を開始し2028年度に満額に

庭野めぐみ日本テレビ解説委員/社会部デスク
「そもそもこの『子ども・子育て支援金』の使い道というのは、新しい少子化対策です。例をあげると『児童手当の拡充』。これは所得制限が撤廃されます。それから高校生にあたる年代まで支給が延長されます。『こども誰でも通園制度』は、親の就労の有無にかかわらず保育所を利用できる制度です」
「そして『妊娠・出産時の給付金』は、妊娠中、そして出産の際の2回に合計10万円相当のお金を給付する制度です。『両親育休で支援』は両親ともに育休をとった場合には、手取りの10割相当を支給するという制度です。こういったものを実現するためのものだということです。政府はこれらを実現すると、子ども1人あたり新たに146万円相当の支援になると説明しています」

森圭介キャスター
「未来を担う子どもたちにとって、親世代も本当に助かりますけれども、この負担というのが月平均して450円くらいになるということですね?」

庭野解説委員
「そうなんです。もう少し具体的な金額も29日に政府が公表しました。2026年度から徴収を開始して、少し低めの額からはじめて2028年度に満額となります。2028年度の額がいくらになるかということですが、個人が納める額は所得に比例して決まりますので、同じ所得でもどの企業に勤めているかで違います。それから自営業者と会社員では徴収額が違ってきます」

■加入している「保険」により違い

庭野解説委員
「政府の試算は医療保険の種類ごとに平均的な所得の場合を想定しています。では、実際いくらなのか2028年度でみていきます。まず会社員の被用者保険ですが、中小企業の組合である協会けんぽでは、月700円程度ということです。それから大企業の健康保険組合では月850円程度。公務員などの共済組合では月950円程度だということです。そして各個人と同じ額を企業なども納める見込みです」
「一方、自営業者などが加入する国民健康保険ですが、こちらも所得に連動するものの、だいたい1人あたり月400円程度になるということです。ただ、納め方が違いまして、そもそも国民健康保険というのは、世帯の人数分の保険料を世帯ごとに納める形が医療保険でもとられています。なので支援金も人数分を世帯ごとに納めるということになります」

森キャスター
「なるほど、子どもを除くので、成人であれば、3人家族だったら3人分の保険料がかかるということですね」

庭野解説委員
「そうですね。そして今回、お年寄りにも少し負担をお願いしましょうということで、75歳以上の後期高齢者の場合でも1人あたり月350円程度ということになっています(低所得者には軽減措置あり)」

森キャスター
「保険の種類によって、そして所得によって(額が)違うということで自分で確認しないといけませんね」

庭野解説委員
「今後、もう少し抑えが出てくる可能性もありますけど、政府は『支援金制度ができても賃上げなどを勘案すると、実質的に国民に追加の負担は生じない』などと強調し、野党などから批判されています。国会でこの制度について審議されますけれども、負担と給付の詳細や『社会全体で子どもや子育てを支える』という理念について国民の理解が得られるよう、政府には丁寧な説明が求められています」