「着床前スクリーニング」シンポジウム開催
受精卵の染色体に異常がないか調べる「着床前スクリーニング」の臨床研究が来年度にも始まるのを前に、日本産科婦人科学会が7日、シンポジウムを開いた。
7日に東京都内で行われたシンポジウムには、医師や遺伝病の患者らが参加し、「着床前スクリーニング」の臨床研究について意見が交わされた。「着床前スクリーニング」とは、体外受精させた受精卵の全ての染色体を調べて異常のない受精卵だけを子宮に戻す医療のことで、臨床研究は流産を2回以上繰り返すなどした女性を対象に、流産を防ぐことができるか調べる目的で行われる。
シンポジウムの参加者からは、「異常がある全ての受精卵を排除するのは許されるのか」と慎重な対応を求める意見や、遺伝子の病気を持つ患者からは「命の選別に値している」と反対意見も出されたが、日本産科婦人科学会は来年度にも臨床研究を始めることを決めている。