約８０万か所に上る企業の事業所が厚生年金への加入を違法に逃れている疑いがあることがわかった。

　厚生年金は、フルタイムの従業員がいる法人の事業所や、５人以上の従業員のいる個人事業所などが保険料を従業員と半分ずつ負担して加入することが義務づけられている。

　厚生労働省が所得税の情報を国税庁から得たところ、稼働している事業所が約２５０万か所あるという。しかし、このうち日本年金機構が厚生年金に加入していると把握しているのは、約１７０万か所にとどまるということで、最大８０万か所の事業所が違法に厚生年金への加入を逃れている疑いがあることがわかった。

　勤務先の加入逃れのために厚生年金に入ることができず、老後、厚生年金を受け取ることができない人が数百万人に上るおそれがあり、厚労省は、この８０万か所の事業所について、来年度予算に約１０２億円を盛り込んで今年４月から調査を行い、加入要件を満たしている事業所は加入するよう指導を行う方針。