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厚労省 “MERS”への対応徹底を指示

2015年6月3日 3:59

 韓国でのMERS(=中東呼吸器症候群)の患者増加を受けて、厚生労働省は、1日の段階で、都道府県や検疫所などに対応の徹底を指示した。

 日本では、MERSは、今年1月に感染症法の第2類感染症に指定され、感染が疑われる患者が見つかった場合には、医療機関から厚生労働省に報告することが義務付けられている。MERSの感染の疑いのある患者の条件は、

●38℃以上の高い熱、または咳(せき)が出る人で、14日以内にアラビア半島と周辺国への滞在歴がある場合、
●発熱と咳、両方の症状があり、14日以内にアラビア半島と周辺国で医療機関に行ったか、MERSの患者と接触したか、ヒトコブラクダの生の乳を飲むなどした場合、
●発熱か、または咳が出る人で、14日以内に、MERSの感染が疑われる患者を診察・看護したり、一緒に入院したり住んだりしていた人、患者のたんや体液などに直接触れた人。

 厚生労働省は、これらにあてはまる人には保健所や検疫所に連絡するよう呼びかけていて、保健所や検疫所が必要と判断すれば、MERSの検査を行う。

 検査は、のどの粘液をぬぐったものを、まずは、それぞれの都道府県の地方衛生研究所に送って、MERSコロナウイルスの遺伝子があるかどうかを調べる「PCR検査」を行う。そこで、陽性の場合は、国立感染症研究所に検体を送り、確定のための検査を行う。ここでも陽性となった場合は、MERS感染を確認したことになり、感染症法に基づいて、各地の感染症専門の医療機関での隔離入院となる。

 韓国では、患者が治療を受けた医療機関で、医師や入院患者に感染が広がったことから、日本の厚労省は、仮に患者が入院した場合、医療機関内で感染防止を徹底するよう指示している。

 厚生労働省によると、日本ではこれまでMERS感染が確認された例はなく、これまでも、中東からの入国者には注意を呼びかけてきたとして、韓国での患者確認後も、従来通りの対応を続けるとしている。