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「親は監督責任負わない」最高裁が初の判断

2015年4月9日 15:42
「親は監督責任負わない」最高裁が初の判断

 子どもが遊んでいて他人にケガをさせた場合、親が監督責任を負うかどうかが争われた民事訴訟で最高裁は9日、「通常は人に危険が及ばない行為については、親は監督責任を負わない」として、高額の賠償命令を取り消す初めての判決を言い渡した。

 裁判で争われていたのは、11年前、小学校の校庭で6年生の男の子が蹴ったサッカーボールが原因で起きた事故。道路に転がり出たボールをよけようとしてオートバイで通りかかった85歳の男性が転倒、ケガなどが原因で約1年半後に亡くなった。その後、男性の遺族が裁判を起こし、一審・二審は「男の子の両親には親としての監督責任がある」として約1200万円の支払いを命じたため、両親側が上告していた。

 9日の判決で最高裁は、これまでほぼ無条件に認めていた親の監督責任について、「両親は日頃から通常のしつけをしており、サッカーのような通常、人に危険が及ぶとはみられない行為については特別の事情が認められない限り監督責任を負わない」として、賠償金を支払う必要は無いとする初めての判断を示した。