東電・勝俣恒久元会長の原発事故めぐる刑事裁判を打ち切り 先月の死去を受け最高裁が決定
福島第一原発の事故をめぐり、検察審査会の議決に基づき、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴された東京電力の勝俣恒久元会長が先月21日亡くなったことを受け、最高裁は上告されていた勝俣元会長の裁判を打ち切る決定をしました。
勝俣元会長は、原発の敷地の高さを超える津波を予測できたのに対策を怠り、原発事故で避難を余儀なくされた病院の入院患者らを死亡させた罪などで、事故が起きた際の旧経営陣の2人とともに強制的に起訴されました。
裁判では、1審に続き2審も勝俣元会長ら3人に無罪を言い渡しましたが、検察官役の指定弁護士が判決を不服として、去年、最高裁に上告していました。
東京電力によりますと、勝俣元会長は体調が急変し、先月21日に84歳で亡くなったということです。
これにより、最高裁は上告中の勝俣元会長の刑事裁判を打ち切る決定をしました。