厚労省「かかりつけ薬局」移行方針を公表
厚生労働省は、病院の前にいくつもの薬局が並ぶ現状を変え、10年後には、すべての薬局を訪問型の薬剤師がいるようないわゆる「かかりつけ薬局」に移行させるという方針を26日の経済財政諮問会議で公表した。
医師が必要以上に薬を処方する傾向を改めるため、厚労省は調剤薬局を病院の外に作り、薬剤師の独立性を高める政策を進めてきた。しかし、薬剤師が医師の指示のままに薬を出す状態は変わらない中、安定した収益を見込んで、多くの薬局が病院の前に並ぶことになり、患者に不便を強いているとして、政府の規制改革の対象になっている。
そこで、厚労省は来年度以降、病院の前の薬局を減らし、2025年までに、すべての薬局を「かかりつけ」機能を強化した地域に根付いた薬局に移行させる方針を発表した。
具体的には、一つの病院の薬ばかりを扱う薬局の収入を減らし、お年寄りなど複数の医療機関にかかっている患者の薬をまとめて処方して、飲み合わせをチェックしたり、患者の自宅を訪問して、飲み残しの薬を確認したり、24時間対応する場合には薬局の収入を増やす制度を目指すという。
しかし、現在の規制を変えて、病院の敷地内に薬局の設置を認めるかどうかは、今後、検討するとしている。