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住民全員の無事を確認 71歳男性がやけど

2015年5月29日 14:33
住民全員の無事を確認 71歳男性がやけど

 29日午前9時59分、鹿児島県屋久島町の口永良部島の新岳で爆発的な噴火が観測された。総務省によると島の住民全員の無事が確認されたが、男性(71)がやけどをしたという。鹿児島読売テレビのスタジオから伝える。

 県によると、屋久島町の口永良部には82世帯137人が住んでいて、屋久島町は午前10時20分に全ての住民に避難指示を出した。住民の多くが番屋ヶ峰の避難所に避難しているという。総務省によると島の住民全員の無事が確認されたが、男性が額にやけどをしたという。なお、意識はあるという。

 十管本部によると、海上保安庁の測量船「拓洋」が、昼前に口永良部の本村港に到着。避難に向けた準備を進めている。拓洋は大型の船で、100人以上は乗船できるという。なお、屋久島と口永良部島を結ぶ「フェリー太陽」が住民を避難させるため、島に向かっている。なお、フェリーには150人まで乗船でき、この後、島民をのせて屋久島の宮之浦港に向かうという。

 新岳では去年8月に34年ぶりに噴火し、噴火警戒レベルが3に引き上げられていた。京都大学防災研究所の井口正人教授に話を聞いた。

 「去年8月3日に起こった噴火よりもはるかに大きい。物質がとれていないのでマグマ性噴火か水蒸気噴火かどうかはわからない。ただし、8月3日の噴火以降、さらに大きな噴火が起きるような前兆現象は十分出ていた。1つは火山ガスの増加、噴火の直後から非常に高い状態だったのが、12月ごろから急増していた。それから有感地震が発生した1月24日、先週5月23日朝にマグニチュード3ぐらいの有感地震が起こった段階で警戒を強めた。それ以外にも地盤の膨張とか3月24日には火映が観測されている。十分に異常な現象が次から次に起きていた。そういう警戒を強めていた段階で今回の噴火が起きた」

 新岳では去年8月に34年ぶりに噴火が発生し、噴火警戒レベルが3に引き上げられていた。29日の噴火で、この噴火警戒レベルが最も高い5に引き上げられた。レベル5が発表されたのは全国で初めて。