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ツーブロックは奇抜?なぜNG?――高校生主導で「校則」改正へ 中学生が“先生役”で成績アップも…自ら考える“新しい授業”続々

2023年5月6日 13:47
ツーブロックは奇抜?なぜNG?――高校生主導で「校則」改正へ 中学生が“先生役”で成績アップも…自ら考える“新しい授業”続々

子どもが自分で気づき、考え、学ぶ取り組みが広がっています。生徒主導で校則を変える高校、生徒が先生役になる中学校、VR(仮想現実)を活用して跳び箱運動の上達を促す小学校を取材。問題解決の力がついたり成績がアップしたりと、効果が表れています。

■校則は90近く…2年前から見直し

栃木・足利市にある県立足利清風高校を訪ねました。

先生が開けた箱の中には、大量のスマートフォンがあります。毎朝回収され、鍵をかけて保管される規則です。さらに、3年生は「下着まで色指定されていたので…」「ツーブロックが禁止」と言います。

全て、90近くある校則で決められています。別の3年生は「(みんなが)不満に思っているところを変えられればいいなと思って」と話します。

この高校では2年前から、生徒主導で校則を変える取り組みをしています。これまでも、前髪の長さの規定を変えるなど、さまざまな校則を見直してきました。

■髪型の校則改正へ…全校で印象を調査

取材した日に話し合っていたのは、髪型についての校則です。1人の生徒が「今日はみんなでツーブロックの議案改正に向けて活動していきましょう」と呼びかけました。

校則では「奇抜な髪型は禁止」と定められ、そこにはツーブロックも含まれています。本当に奇抜なのか、全校生徒などにアンケートをしてみました。

その結果について2年生が「ツーブロックについて悪い印象がないって言う人が8割を超えていて、清潔感があって色を変えるわけじゃないからOK」と報告。「変えたい」という多くの意見が寄せられ、今年中の改正に向けて学校側に提案するといいます。

ある3年生は「自分から興味を持って、問題を解決するためにどうしたらいいのか考えて動くというのは学びになります」と話しました。

■授業内容を考え、教える取り組み

授業でも、生徒主導で学校を変える取り組みがなされています。

神奈川・横須賀市の市立長沢中学校では、理科の授業で3人の生徒が教壇につき、「塩化銅に電流を流すとどんな変化が起こるでしょうか」と問いかけました。3人は先生役です。

生徒
「塩素ってネタバレになる?」
先生役の生徒
「いいよ。ここまで出ているんだもん」
別の生徒
「泡が塩素ってことか。あーなるほどね!」

活発なやり取りが交わされていました。

この学校では4年前から生徒自らが先生役となり、自分たちで授業の内容を考え、教えています。生徒が教える新たな授業は、全ての科目で導入しています。

■先生役「自覚が持てるし自信に」

その結果、テストの平均点が3点ほどアップし、授業中に寝ている生徒もほぼゼロになったといいます。

先生役の生徒たちは「自分がちゃんと教えられると、自分がちゃんとやれているんだという自覚が持てるし、自信にもなる」「自分から自主的に考えて話すことができるようになりました」と手応えを語ります。

先生は、授業を見守りながら知識やアドバイスを与えることに徹しています。貝塚啓悟教諭は「自分たちで考えた方がどんどん進んでいくし、成長していきます。生徒の可能性を伸ばしていくのが授業のあるべき姿なのかな」と言います。

■VRの映像で…跳び箱のコツつかむ

一方、子どもたち主体で学ぶ新たな授業もあります。東京・杉並区の区立天沼小学校では、跳び箱の授業で、体を動かさずに小さな箱をのぞいている子どもがいました。「動いた! 動いた!」「音している!」と声が上がりました。

見ていたのは、VR(仮想現実)で跳び箱を跳ぶ映像です。のぞくと目の前には体育館が広がり、スタートボタンを押すと助走から踏み切り、着地までの一連の動きを体感できます。

児童自身が跳べる人の感覚を映像でつかむことで、自分の弱点に気づき、どうすれば克服できるのか考えることに役立つといいます。

■教諭「自分でつくる学びを大切に」

ある4年生は1回目跳ぶことができませんでしたが、VRを使うと、できていなかったポイントに自分で気づきました。「踏み切り板をバンって感じだった」と先生に伝え、再チャレンジ。上達し、先生が「おー、そうそう! 良かった良かった」と拍手を送りました。

この4年生は「実際に跳んでいるところをVRで見られたので、こういう感じで跳べるんだなって分かった」と言いました。子ども自身で考え、学ぶ授業になっています。

澤祐一郎教諭
「こっち(先生)が教えっぱなしでは、そろそろ時代として良くないのかなと思っているところもあるので、子どもたちが自分たちで学びをつくっていくところを、どんどん大切にしていきたいなと思います」

(5月5日『news zero』より)

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