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“統一教会”とサークル「九大CARP」の関係は “勧誘やりとり”学生が音声公開「30分か1時間くらいで…」

2022年7月28日 1:09
“統一教会”とサークル「九大CARP」の関係は “勧誘やりとり”学生が音声公開「30分か1時間くらいで…」

福岡市は、九州大学の非公認サークル「九大CARP」が「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”と関係があると判断し、過去の表彰を取り消しました。ある九大生が、勧誘とみられるやりとりを録音し、動画投稿サイト「YouTube」に公開していました。その内容とは?

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27日、news zeroの取材に応じた九州大学の学生(23)は「録音していた会話をYouTubeにアップしたものになるんですけど…」と話し、スマートフォンの画面を見せてくれました。3年前の2019年10月、この学生は“ある勧誘”を受けていました。

勧誘者から「すいません。こんにちは」と挨拶され、男性は「はい。こんにちは」と応じます。すると、勧誘者は「自分、『九大CARP』っていう未来作りセミナーっていうのをやっています」と話し始めたということです。

「九大CARP」から勧誘を受けた大学生(23)
「先輩などから『危ないサークルだよ』という話は聞いていたので。一年中(勧誘を)やってるんじゃないかなと思います」

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今、「九大CARP」をめぐり、ある出来事が起きています。

福岡市 高島市長(26日)
「『“宗教活動”があるのではないか』ということで、今回(受賞を)取り消しをした」

「九大CARP」は大学周辺の清掃活動が評価され、過去に2回、福岡市から表彰されました。しかし福岡市は宗教団体を受賞の対象外と定めていて、この団体を調べた結果、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”と関係があると判断し、受賞を取り消しました。

福岡市 高島市長(26日)
「(受賞に際したヒアリングでは)『そういう(宗教)活動をしていない』と言っていたと言うことですが」

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「九大CARP」と教団は、どのような関係なのでしょうか。news zeroは、教団の友好団体の機関誌を入手しました。機関誌には、「九大CARP」に所属している学生が福岡市から表彰を受けたことを報告する内容が書かれていました。

さらに、機関誌には「真のお母様が地上におられる間に天一国を成せるよう頑張りたいです」と、現教団トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を指すとみられる「真のお母様」の文字も記されていました。

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宗教社会学が専門の北海道大学大学院・櫻井義秀教授は「(教団と)“同じ団体”ですよ。(CARPは)『原理研究会』と言って、“統一教会”の学生組織です」と指摘しました。

「CARP」という団体は全国各地の大学や地域にあるとされていて、櫻井教授は「清掃やボランティア活動は表向きで、信者勧誘の手段だ」と話します。

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「九大CARP」からの実際の勧誘とみられる音声には、次のようなやりとりが記録されていました。

「九大CARP」の一員とみられる男性は「1分だけ時間いいですか? 未来作りセミナーって、将来のこととか、これからのことを考えようということでやっているんですけど」などと話していましたが、約5分に及ぶやりとりの中で、教団をにおわせる内容はありませんでした。

また、「九大CARP」の一員とみられる男性は「空きコマとかで、簡単に30分くらいで」「30分か1時間くらいで…」「30分とか、1時間でもどうかな? 空いてるときとか…」と何度も説得する様子も残されていました。

九大CARPから勧誘を受けた大学生(23)
「7、8回くらいは、たぶん声をかけられた。1人でいると結構、狙われやすい。(きちんとした団体かどうか)情報収集はしっかりした方がいいと思います」

大学側も「九大CARP」を公認しておらず、“カルト団体”として注意を呼びかける教授もいます。一方、各大学の「CARP」を支援している「World CARP JAPAN」は取材に対し、「世界平和統一家庭連合への勧誘は行っていない」と主張しています。
(7月27日放送『news zero』より)