“迷惑行為”飲食店は続々と対策「負担は増えるが…」 卓上の調味料は消える?
客席に置かれたしょうゆのボトルをなめたり、共用のスプーンで天かすを直接ほおばったりと相次ぐ迷惑動画の拡散で、飲食店も対策に乗り出しています。飲食店の取り組みを取材しました。
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厳選した豚骨を使ったスープで作るラーメンを提供する「らーめん バリ男」。人気の理由は、店自慢の特製唐辛子です。新橋本店を訪ねると、ほとんどの客が振りかけていました。以前は共用のどんぶりに入れられ、共用のスプーンでよそう形でしたが、今はキャップがついた容器に入れられています。1月末から変更したといいます。
店主
「ここ1か月くらいのいたずら動画を見て、これだと何か簡単に(異物を)入れられたりとか、手で触ったりできるので」
そのワケは、飲食店で撮影されネットで相次いで拡散された迷惑動画です。5店舗ある全ての店で、共用の器から、個別の容器に変更したところ、費用は10万円ほどかかったといいます。
店主
「いたずらの範疇を超えてしまっているので、お店はお店側で対策をしないといけないと、すごく強く感じてますね」
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回転ずしチェーン店で共用の容器をなめるなど、店が提供方法を変えざるを得なくなるほどの信じがたい動画の数々がSNSで拡散されました。
「迷惑行為」対策に踏み切った飲食店は、回転ずしチェーンに限りません。
ツイッターより
「ココイチも卓上調味料や福神漬け、テーブルに常備しなくなってる…」
カレー専門店「CoCo壱番屋」では、2月から1217店舗でテーブルに置いていた福神漬けや調味料などを撤去。客が来店する度に、店員が運ぶことにしました。
卓上に置かれた共用の天かすを口いっぱいにほおばる動画が拡散されてしまったうどんチェーン「資さんうどん」は、希望者には「天かす」や「とろろ昆布」を袋に小分けした状態で提供すると発表しています。
「資さんうどん」運営会社
「包装費用や従業員のオペレーションの負担は増えるが、安心して食べにきてほしい」
こうした店側の対策について、街の人に聞きました。
男性
「(店側は)ちょっと手間になってしまうんですけど、安全とか考えると、そういう対策してくれるのはこちらとしてはうれしい」
飲食店でアルバイトをする男性
「多少、仕事自体はめんどくさくなっちゃうんですけど、万が一があった時に受けるダメージは相当なものなので、めんどくさくてもやらないといけない」
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また、各回転ずしチェーンでも様々な対応が行われています。
「スシロー」は、注文したすしだけがレーンを回るようになっただけでなく、希望者に卓上の調味料や食器の交換を実施。
「くら寿司」では、回転レーンの上についているAIカメラを改修し、一度とった皿を戻す行為などの監視を強化しています。
今月4日、ガリが入った器の中に、電子たばこの吸い殻が見つかった「すし銚子丸」では今後、しょうゆ、ガリ、湯飲み、小皿などをカウンターやテーブルに置くのをやめ、客を席に案内する時に従業員が運ぶことになりました。
衛生対策を強化している企業側は、警察に相談するなど厳正に対処していく方針です。
(2月15日放送『news zero』より)