「あっという間に重症化…」84歳母がコロナ感染…なかなか入院できず6日後死亡 高齢者の重症化警戒よびかけ
18日、東京では新たに、1万6129人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。10日連続で前の週の同じ曜日の人数を下回り、新規感染者は減少に転じていますが、重症者や亡くなる方は増加傾向にあります。専門家は特に、高齢者の重症化に強い危機感を示しています。
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18日、東京では新たに、1万6129人の新型コロナウイルスの感染が確認され、10日連続で前の週の同じ曜日の人数を下回りました。
ただ、岸田首相は「新規感染者の絶対数は、まだ多く報告をされていますし、また遅れて重症者数が増加するリスクもある。こうしたことで、『警戒を緩める状況にはない』と認識をしています」と話しました。
また都内では、感染力がさらに高いとされるオミクロン株の新たな種類、「BA.2」の市中感染も確認されています。
こうした中、政府は18日、北海道や大阪など17道府県のまん延防止等重点措置について、来月6日まで延長する方針を専門家にはかり了承されました。
ただ2人の委員は、オミクロン株がまん延防止措置の対象に合致するか明確なデータがないなどとして反対を表明しました。
一方、感染が落ち着いてきている沖縄や山口など5県の解除については、全員が賛成したということです。
分科会の尾身会長は、「今のところ、完全に感染が収まっているわけではないわけですよね。延長したところは、病床の使用率がなかなかうまく下がっていないんですよ。いま、日本が一番大事なのは、高齢者の重症化、高齢者の死亡をなるべく低く抑えるということ」と述べました。
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強い危機感が示されている高齢者の感染と重症化。18日、さいたま市に住む女性に話を聞きました。
コロナで母親が亡くなった女性
「本当に怖い病気ですし、本当にあっという間に重症化しますので、本当に大変な病気だと思っています」
15日、母親が84歳で息を引き取ったといいます。死因は新型コロナウイルス肺炎でした。
特別養護老人ホームに入所していた母親が今月9日、コロナに感染しました。糖尿病など持病がありましたが、なかなか入院先が見つからなかったといいます。
コロナで母親が亡くなった女性
「心臓マッサージとかAEDを希望すると受け入れ病院がなくなりますと聞かされて、結局入院先が見つかったのは2月13日になります」
感染が確認されてから4日後の今月13日の夕方、ようやく入院先が見つかり薬の投与などが行われましたが、容体が回復することはなく、今月15日、息を引き取りました。
母親はワクチンを3回接種していたということです。
コロナで母親が亡くなった女性
「オミクロンって(症状が)軽いと私も思っていた。ワクチンをしていればそんなに重症化はしないだろう、安易な考えを持っていた。私もそう。しかし、実際は基礎疾患を持っていたからかもしれないし、高齢だったからかもしれませんけども、こんなにすぐに重症化して、こんなにすぐあっけなく逝ってしまう。まん延防止を出したからそれで終わりではなく、みなさんに危機感を持って、色々行動していただきたいと思う。こういった人が本当に1人でも少なくなっていただきたい」
2月18日午後5時ごろ放送『news every.』より。