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コロナ病床は“全て高齢者”……大阪の病院、重症者増へ危機感 肺のCT画像に「けっこうシビアやね」 “まん延防止”延長要請へ

2022年2月15日 8:54
コロナ病床は“全て高齢者”……大阪の病院、重症者増へ危機感 肺のCT画像に「けっこうシビアやね」 “まん延防止”延長要請へ

新型コロナウイルスに感染した自宅療養者は全国で54万人超となり、過去最多となりました。重症化を抑えるため医療現場が期待するのが飲み薬で、ファイザー製も新たに承認されました。重症者への危機感が募る大阪では、重症病床使用率が高まっています。

■過去最多…自宅療養「54万人超」

バレンタインの夜、東京・銀座のチョコレート専門店。

プレゼントのチョコレートを購入した客は「お店で祝うことは避けてはいるんですが、自宅でゆっくりできるのがいいかな」と話しました。

14日から「まん延防止措置」が延長となった東京では、新たに1万334人の感染が確認されました。全国では6万142人で、自宅療養となっている人の数は過去最多の54万3045人(9日午前0時時点)となりました。

■検査希望で多忙…「飲み薬」投与も

病院スタッフ
「予約してます?」

患者
「予約してないです」

スタッフ
「そうしたら、ここに並んでもらって」

検査を求める人への対応で連日多忙な、埼玉・春日部市の「あゆみクリニック」。重症患者を抑えるため期待されるのが、新型コロナの飲み薬です。

藤川万規子院長は「はい、これだけ飲んでください」と、陽性が確認されたワクチン未接種の男性(22)にメルク社の「モルヌピラビル」を投与。「重症化を防ぐためにお出ししたんですけども、落ち着いたら是非ワクチン打ってください」と伝えました。

■新承認…「ファイザー製」どう使う?

国はこのほど、新たにファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」を承認しました。重症化リスクのある軽症から中等症の人が対象で、臨床試験では入院や死亡のリスクが89%減少。一方、高血圧や高脂血症の治療薬などとの併用はできず、確認の上で処方されます。

藤川院長は「重症化予防の効果は良いということなので、しっかりと(モルヌピラビルと)使い分けしながら」と話しました。

一方、4人の重症患者が入院している、都内にある昭和大学病院の相良博典院長に、新たなファイザーの飲み薬について聞きました。

副作用に注意すべきとした上で、「特に高齢者の場合、あるいは基礎疾患やリスクを持っていらっしゃる方の場合には、有効性が高いということを考えると、やはり投与してみようという気にはなります」と言います。

■大阪「緊急事態」要請どうなる?

大阪府でも、重症患者への危機感が募っています。

堺市の邦和病院では、撮影された患者の肺の画像を見た中川学副院長が「うわ、けっこうシビアやね」と漏らしました。その肺には、すりガラス状の影が見られ、肺炎の危険がありました。この病院では、コロナ病床の全てを高齢者が占めています。

実質の重症病床使用率が40%を超えれば、国に対して緊急事態宣言を要請するとしている大阪府。13日時点では36.3%でした。

感染者数は7997人。吉村知事は会見で「緊急事態宣言を要請するかどうかについては、感染状況をもう少し見極めた上で判断したい」と明らかにしました。2月20日で期限を迎える「まん延防止措置」については、延長を求める考えを示しました。

(2月14日『news zero』より)

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