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“妊婦専用”コロナ病床設置の病院 重症化リスクも受け入れへ

2022年2月1日 21:52
“妊婦専用”コロナ病床設置の病院 重症化リスクも受け入れへ

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかりません。1日、東京では病床使用率が50%を超え、緊急事態宣言の要請を検討する基準を超えました。一方、感染した妊婦専用の病床をもつ千葉県の病院では、ひとりでも多くの妊婦を受け入れようと、医療従事者が奮闘しています。背景にあるのは、第5波となる去年8月、感染した妊婦が入院できず自宅で出産し、赤ちゃんが死亡した問題です。



止まらない感染拡大。1日、東京都では、新たに1万4445人の感染者を確認。先月25日より1632人増え、8日連続、1万人を超えています。

病床使用率は50.7%と「緊急事態宣言」の要請を検討する基準を超えました。

街の人
「怖いです。気をつけられること全てやっていても、どこでうつるか不安」

病床使用率が増え続ける中、「緊急事態宣言」は、出されることになるのか。

軽症・中等症患者のコロナ病床を55床もつ、東京・杉並区の病院では、今週に入り、70代~80代の高齢者の入院患者が増加。1日現在、病床使用率は80%に達しているといいます。

河北総合病院 杉村洋一院長
「第5波と同じように、(病床使用率)50%で緊急事態宣言を出すのは、もう少し考えてもいいのかな」

東京の重症者病床の割合は、5.5%と低い状況。第5波と比べて、この病院でも患者対応の負担は減っていると話します。

むしろ深刻なのは…

杉村院長
「20人近くの職員が自宅待機になっている。マンパワーが減ってきているのを今一番心配している」

この病院の職員が濃厚接触者になるなどして、およそ20人が欠勤しているといいます。これ以上、入院患者が増えると患者対応に、影響がでると懸念していました。

兵庫県の兵庫医科大学病院では、職員など32人がコロナに感染し、深刻な医療従事者不足になり、新規の入院や、手術を中止する事態となっていました。

   ◇

千葉県にある病院では、ある専用病床への入院患者が増加しています。

千葉大学病院感染制御部長 猪狩英俊医師
「先週1週間だけで、6人の妊婦を受け入れていますので、大変多くて、妊婦さんはそうでない方に比べて重症化するということがわかっていますから」

重症化しやすいという、妊婦専用のコロナ病床をもつ千葉大学病院。集中治療室では、助産師が生まれたばかりの赤ちゃんを撮影しています。その写真を持って別室にいる母親の元へ。

母親
「ありがとうございます」

母親は、コロナに感染している最中に出産。感染対策のため、我が子と、直接の対面はしばらくできず、写真を見るだけとなっていました。

こうした、妊婦専用の病床を新たに設置した背景にあるのは、第5波となる去年8月、千葉・柏市に住む感染した妊婦が入院できず自宅で出産し、赤ちゃんが死亡した問題。

猪狩医師
「いかに(妊婦を)引き受けて、適切な医療をするかということが、我々に求められている使命だと思っています」

   ◇

全国でも、歯止めがかからない感染拡大。1日、大阪府や愛知県、群馬県などで過去最多を更新しています。

宣言が出されるのか、出されないのか。その状況を、固唾(かたず)をのんで見守っていたのは、東京・渋谷駅近くにあるスポーツバー。

スポーツバーFields 田中守店長
「まん延防止等重点措置が出てからの、夜の売り上げはひどいものです」

こちらの認証店では酒を提供していて、午後9時までの時短営業をしていますが、先月、まん延防止等重点措置が適用されて以降、売り上げがコロナ前と比べて4分の1に。先週あったサッカー、ワールドカップ予選の日には──

田中店長
「来店客数が、なんとゼロでした。初めてで、がく然としました」

4日には、北京オリンピックの開会式もありますが…

田中店長
「(五輪期間中も客足は) きっとだめだろうなっていうのは。(“宣言”でたら)先が真っ暗ですよね」

   ◇

そして、1日から、東京と神奈川で始まった私立中学の入学試験。東京・品川区にある私立の中学校では、机にアクリル板を設置し、教室にはいれる受験者数も減らしていました。

さらに、今年、オミクロン対応で異例となる対策をとっていました。

青稜中学校 青田泰明校長
「こちらが別室の受験会場になります。いわゆる濃厚接触者、そういう風な認定受けた生徒たちに対する特別な会場になります」

濃厚接触者となった受験生専用の試験会場。

検査で陰性となり、無症状の場合、この部屋で受験することができるといいます。さらに、基礎疾患をもつ受験生などについては、別日に追試の日程を設定しています。

青稜中学校 青田泰明校長
「安心して子供たちが受験してもらえるか、この環境作るのが非常に大変だった」

大人数での受験に不安を抱える人に向けて、追試日を設けたということです。