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“ブラックバイト”の実態は…厚労省が調査

2015年6月29日 22:45
“ブラックバイト”の実態は…厚労省が調査

 アルバイトの学生らに過酷な働き方をさせる、いわゆる「ブラックバイト」が問題化している。アルバイトの現場で、一体、何が行われているのか。厚生労働省が29日、学生から直接聞き取りを行った。

 29日午後4時、厚労省に6人の大学生が集まり、アルバイトに関する聞き取り調査が行われた。中にはバイトと勉強との両立で悩んだことがある大学生もいた。この調査が行われた背景にあるのは、学生らに過酷な働き方をさせる、いわゆる「ブラックバイト」の存在。

 塾での法律違反の例をみると、ある学習塾では授業時間の90分を「1コマ」とし、1コマ単位で賃金計算を行い、「コマ給」として賃金を支払っている。しかし、テストの採点やプリントの作成など、授業時間以外の作業に関しては賃金を支払わなかったケースや、夏休み期間などで1コマ90分の授業を1日に最多で「7コマ」、合計で10時間半も行わせるなど、1日の法定労働時間を超える労働を強いるケースなどが挙げられている。

 厚労省は3月に学習塾の業界7団体に通知を送り、塾で労働基準法違反の実態が少なからずあったとして改善を求めた。

 こうした中、若者から労働条件などの相談を受け付けている団体「ブラックバイトユニオン」には、飲食店などの一方、塾でのアルバイトに関する相談が多く寄せられている。

 「結構やることがあって、時給換算したら結構ひどいので」「一番ひどかった時は(時給)500円ぐらい」「テスト対策を普段あいていない日曜日にあけてやってるんですけど、それに行くのに交通費しか出されなくて、時給が0円で」-塾でバイトする学生らは、口々に悩みを訴えた。

 この団体には、個別指導塾をめぐる相談がこのひと月で100件程度寄せられているという。

 首都圏に住む男子学生は、現在、個別指導の学習塾でアルバイトをし、中学生と高校生計14人の生徒を受け持っているという。この男子学生もアルバイトに関して悩みを抱えていた。アルバイトの時給は1000円で90分の授業を1日で2コマ担当し、週5日働いているが、授業時間以外の作業はほぼ給料には反映されていないという。また、この男子学生の作業は「生徒の体調管理」や「(学校の)提出物の管理」など、授業以外の面にも及ぶようになっていると話す。男子学生は、辞めたくてもなかなか辞められないという。

 ブラックバイトユニオン・坂倉昇平事務局長は、「『(大学の)テスト勉強が必要なのでシフトを変更したい』と言っても、『テストで休むことは許されない』と言われたりとか」「学生のアルバイトが職場において、かなり重要な位置付けになっている」「アルバイトの方が人件費も安く済むので、(会社が)学生アルバイトを用いるというのが積極的に一つのモデルとして採用されるようになってきている」と話す。

 厚労省では学生ができる対策として、バイトを始める前に労働条件の詳細をあらかじめ書面で確認することなどをアドバイスしている。

 <ブラックアルバイト相談先>
 東京労働局総合労働相談コーナー:03-3512-1608
 ブラックバイトユニオン(民間の労働組合):03-6804-7245

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