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“次世代”ワクチンとは…変わる予防接種

2015年10月20日 3:42
“次世代”ワクチンとは…変わる予防接種

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。19日は、「変わる予防接種」をテーマに日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。

 ■インフルエンザ…すでに学級閉鎖も

 週末、都内の小児科には、インフルエンザの流行を前に、多くの親子が予防接種に訪れていた。すでに学級閉鎖も出ているが、昨シーズンのインフルエンザの受診者数の推移を見ると、11月から徐々に増え始め、12月には急増、1月にピークを迎えている。厚生労働省は予防接種について、「効果があらわれるまでに2週間かかるため、できれば12月中旬までには受けることが望ましい」と話している。

 ■予防接種 ワクチンは値上がり

 その予防接種だが、今年からワクチンが値上がりしている。ワクチン1本分の価格がこれまでの1000円から1500円となっているそうだ。ただ、これはあくまでワクチン自体の値段。予防接種の料金は、医療機関が自由に決めることができるため、病院などによっても料金は違うが、おおむね去年よりも高くなると見られている。

 しかし、なぜ今年から高くなったのか。実際のワクチンの箱には、対応できるウイルスの種類が書かれているが、昨シーズンは3種類だったのが、今シーズンは4種類が書かれている。1種類増えたことで高くなっているのだ。

 インフルエンザワクチンは、毎年、流行するウイルスの型を予測してつくられる。これまでは、A型で2種類、B型で1種類のあわせて3種類の型でワクチンがつくられていたが、今シーズンからは、B型をもう1種類加えて4種類の型のワクチンがつくられているため、製造コストが上がり、価格自体が上がった。

 なぜ1種類増やしたのか、国立感染症研究所の方に聞いた。

 感染病理部・長谷川秀樹室長「B型ウイルスの2つの系統があるんですけれども、それがランダムに流行するというのと、年によっては両方流行してしまうことが起こっているので、(B型も)A型同様、両方入ってた方がより効果の高いワクチンになるんではないかと」

 つまり、今シーズンから、対応できるウイルスが3種類から4種類になったことで、予防できる範囲が広がるということなのだ。

 ■注目の次世代ワクチン

 そんな中、いま注目されているのが“次世代ワクチン”の開発。次世代ワクチンというのは、これまでの注射型とは違って、鼻やのどなどの粘膜に向かってひと吹きするスプレー型で、ほとんど痛みはない。小さい子どもには使いやすそうだ。

 さらに、注射型のワクチンが、血中にウイルスとたたかう抗体をつくり、ウイルスに感染しても発症や重症化を防ぐ、というものなのに対し、スプレー型のワクチンは、鼻やのどに吹き付けることで粘膜に抗体がつくられるので、そもそも体の中にウイルスが入ってくるのを抑える、つまり感染そのものを予防することができるというメリットがある。

 このワクチンを開発した国立感染症研究所などは、今月末から治験を行って、安全性と効果を確認した上で、4、5年後には、一般的に接種できるようにしたいという。

 また、アメリカなどで、すでに承認されたスプレー型のインフルエンザワクチンがあって、注射型よりは少し費用は高いのだが、日本でもそのワクチンを輸入して、一部、医療機関などでは、接種を行っているところもある。ただ、日本ではまだ承認されていないため、医師と相談の上で、自己責任において接種することになる。

 ■きょうのポイント

 きょうのポイントは「基本を忘れずに」。早めの予防接種は大切だが、予防接種したからといって基本を忘れてはいけない。外から帰って来たら、手洗い、うがいを欠かさずに行い、せきが出る場合は必ずマスクをすることが大切だ。特に免疫力の弱い子どもや高齢者は重症化しやすいため、注意が必要だ。

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